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工順の作り方:生産スケジュールに使える工程順序を定義する

生産スケジューリングの前に、製品の工程・使用可能な機械・所要時間を定義。計算付きの工順例で、工順に不足がないか確認しましょう。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新されました 2026年10月9日 3 分で読めます
Enclosure production steps linked in order, with two alternative bending machines
この記事では
  1. BOM、工順、生産スケジュールはどう違う?
  2. 工順には何を記載する?
  3. 工順の具体例:電気機器用筐体
  4. 工順の作成方法
  5. 1. 製品と改訂版を確定する
  6. 2. 製品に実際に必要な工程を洗い出す
  7. 3. 依存関係を定義する
  8. 4. 使用可能な機械と作業者の要件を明記する
  9. 5. 時間の算定基準を明確にして記録する
  10. 6. 一件の製造指図を使って工順を確認する
  11. 工順に並行工程や代替の選択肢を設けることはできますか?
  12. どのような工順の誤りがスケジュールの信頼性を損ないますか?
  13. 工順から生産スケジュールをどう作りますか?
  14. よくある質問
  15. 「製造工順」と「生産工順」は同じ意味ですか?
  16. 工順とBOMは同じものですか?
  17. 製品ごとに別の工順が必要ですか?
  18. 工順の所要時間は生産リードタイムと同じですか?

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推定読書時間: 10 分

工順は、製品の製造に必要な工程、その実施順序、各工程を実行できるリソース、工程ごとの所要時間を定義するものです。製品をどの順序で製造するかを示すものであり、日程を決めるものではありません。生産スケジューリングでは、この工順を使い、他の製造指図も考慮しながら各工程の実施時期を決めます。

実務に使える工順があれば、生産計画担当者は作業を現場に出す前に、次に何をするのか、どこでできるのか、どれだけ時間がかかるのかという3つの問いに答えられます。このガイドでは、それらの情報の記録方法を紹介します。簡単な例を通じて、自社の工順データも確認できます。

BOM、工順、生産スケジュールはどう違う?

BOM(部品表)は、製品に必要な材料と部品を一覧にしたものです。工順は、それらを製品にするために必要な作業を示します。生産スケジュールは、その作業を使用可能なリソースの空き時間に割り当てます。

情報の種類分かること電気機器用筐体の例
BOM何が必要か板金材料、端子、締結部品
工順どう作るか打ち抜き、曲げ、組立、試験
生産スケジュールいつ、どこで作業するか現在の作業が終わったら、プレスブレーキ2でこの製造指図の曲げ加工を行う

部品の変更に伴って工順の変更が必要になることはありますが、BOM自体が工程順序のすべてを定義するわけではありません。同様に、使用可能な機械をもう1台追加すれば、スケジューリング時の選択肢が増えます。それは、製品に2回目の曲げ加工が必要になるという意味ではありません。

Microsoftの工順と工程に関するドキュメントでも、この違いが具体的に示されています。工順には、製品やバリエーションごとの工程順序、必要なリソース、段取り時間、加工時間を記載します。

工順には何を記載する?

工順には、スケジューリングの際に推測で補う必要がないよう、作業を明確に定義できるだけの情報が必要です。

  • 製品と改訂版:工順を適用する品目やバリエーションと、使用する承認済みの版。
  • 工程:成形、組立、検査などの個々の工程と、関連する作業手順書への参照。
  • 順序と依存関係:各工程を開始する前に完了していなければならない作業。途中で分岐し、後で合流する工程も含めます。
  • 使用可能なリソース:各工程を技術的に実行できる機械やワークセンター。
  • 段取り時間と加工時間:準備にかかる時間、数量による加工時間の変化、使用する単位。
  • その他の要件:工具、技能、品質面での次工程への移行条件、外注加工など、作業を進められるかどうかを左右する要件。

作業手順書は、工程を安全かつ正しく実施する方法を説明するものです。一方、工順は、その工程を生産全体の流れに位置付けます。工順に長い手順を書き込んで工程順序を分かりにくくするのではなく、作業手順書を参照できるようにしましょう。

工順票や製品に添付して工程間を回す作業票には、個別の作業に必要な工順情報を示します。基となる製品の工順は再利用し、個別の作業票には製造指図の数量、現在の改訂版、完了記録を追加します。

工順の具体例:電気機器用筐体

以下は架空の例です。あるメーカーで、小型の電気機器用筐体12個をまとめて製造する必要があります。板金ブランク材と購入部品は準備済みです。各工程でバッチ全体の加工を終えてから次の工程を開始し、工程を同時には進めません。以下の時間には、待ち時間の見込みは含めていません。

工程先に完了すべき工程使用可能なリソースバッチ当たりの段取り時間1個当たりの加工時間
10: パネルの打ち抜きなし打ち抜き機115分2分
20: 筐体の曲げ加工10プレスブレーキ1または220分3分
30: 部品の取り付け20組立作業台A5分8分
40: 電気試験30試験台110分4分

この工順から、計画担当者は打ち抜きが終わるまで曲げ加工を開始できないと分かります。この例では、どちらのプレスブレーキも使用が承認されているため、スケジューリング時にいずれかを選べます。ここでは両機の段取り時間と加工時間を同じとしていますが、実際には代替機によって時間や必要な工具が異なる場合があります。

12個の曲げ加工には、段取り20分と加工36分の合計56分が必要です。これは曲げ工程に必要な作業時間であり、完了時刻を約束するものではありません。両方のプレスブレーキが使用中であれば、このバッチは待つことになります。

このバッチ全体では、四つの工程の段取りと加工に合計254分が必要です。ただし、順番待ち、シフト、他の製造指図を考慮すると、工場内の全工程を通過するまでには、もっと長い時間がかかる可能性があります。工程ごとの時間が正確に記載されていても、工順だけで納期までの日程が決まるわけではありません。

工順の作成方法

まずは1つの製品を選び、実際に通った工程を確認できる最近の製造指図を使って始めましょう。別の製品からコピーした詳細なテンプレートよりも、現場で確認した簡潔な工順の方が役立ちます。

1. 製品と改訂版を確定する

完成品の品目、バリエーション、図面の改訂版を特定します。BOMと作業手順書が同じ版に対応していることを確認しましょう。品目名が変わらなくても、材料や設計の変更によって、工具、工程、加工時間が変わる場合があります。

工順の管理責任者と、新しい版の適用開始時期を記録します。すでに現場に出した製造指図をどう扱うかも決めておきましょう。マスターの工順を変更しただけで、仕掛中の作業への指示が知らないうちに変わってしまうことがあってはいけません。

2. 製品に実際に必要な工程を洗い出す

材料から完成品になるまでの作業の流れを追います。大型機械で行う工程だけでなく、必要な検査、外注加工、次工程への移行を承認する手順も含めましょう。

別のリソースを使う場合、開始可否を別途判断する必要がある場合、進捗を個別に報告する必要がある場合は、工程を分けます。同じリソースで中断せずに1つの工程として行う細かな作業は、まとめて扱います。

3. 依存関係を定義する

各工程について、開始前に完了していなければならない作業を明記します。単純な直列の工順なら、番号付きの一覧で十分です。並行して進む分岐がある場合は、依存関係を明示する必要があります。例えば、最終組立を始めるには、2つのサブアセンブリがそろっていなければならない場合があります。

技術的に必要な依存関係と、現場の慣習を区別しましょう。試験に組立完了が本当に必要なら、その制約は残します。一方、互いに独立した2つの部品をいつも順番に作っている理由が、作業者が1人しかいないことだけなら、それはスケジューリングで考慮すべき生産能力の制約です。

バッチの一部を先に次工程へ送れる場合は、承認済みの移行条件を記録します。工程や品質の要件で認められていない限り、最初の1個が完成したら次工程を始められるとは考えないでください。

4. 使用可能な機械と作業者の要件を明記する

候補となる各リソースが、加工対象のサイズ、工具、公差、必要な加工方法に対応しているか確認します。空いている機械が、その作業に適した機械とは限りません。

故障で急に代替が必要になる前に、承認済みの代替機を記録しておきましょう。機械によって条件が異なる場合は、それぞれの加工時間と段取り時間を記録します。代替機の使用に必要な工具や作業者の資格も含めます。

例えば、2台目のプレスブレーキは筐体のサイズに対応していても、承認済みの工具を備えていないかもしれません。その条件を記載せずに使用可能とすると、現場で実行できない工順になります。

5. 時間の算定基準を明確にして記録する

バッチ当たりの段取り時間と個当たりの加工時間を分けて記録します。バッチ単位で所要時間が固定される工程なら、その旨を明記します。数値には単位を添えましょう。「3」だけでは不十分です。個当たり三分なのか、バッチ当たり三分なのかで、作業負荷は大きく変わります。

1個ずつ加工する単純な工程では、次の式で計算できます。

工程の所要時間 = 段取り時間 + 数量 × 1個当たりの加工時間

複数個をまとめて処理する炉など、工程に応じて別の時間モデルが必要な場合は、それを使います。冷却、硬化、搬送が次工程の開始を制約する場合は、それぞれを別に記録しましょう。単に経過する待ち時間と、機械を占有する時間や作業者を必要とする時間は区別します。

見積もった時間を完了済みの作業と比較し、記録された時間に何が含まれているか確認します。順番待ちの時間を機械の加工時間に含めると、次のスケジュールが実態とずれてしまいます。段取り時間の短縮で対象となるのは準備作業です。その時間は1個当たりの平均時間に埋もれさせず、分かる形で残しておく必要があります。

6. 一件の製造指図を使って工順を確認する

実際に作業する人と生産計画を立てる人に、工順を確認してもらいましょう。工順の作成者に尋ねなくても、次の工程、使用を承認されたリソース、着手の前提条件、所要時間の算定基準が分かるでしょうか。

実際に完了した製造指図を使い、工程の抜けや現実に合わない前提がないかを確認します。続いて、数量や仕様が異なる場合も確認しましょう。あるバッチ数量では問題のない工順でも、数量が増えると別の治工具や加工方法が必要になることがあります。

Microsoftの工順設定ガイドでは、製品の工順データが製造指図の工程スケジューリングの基礎になる仕組みを説明しています。ここまでの確認項目は、システムを問わず使えるものです。特定のERPの設定手順ではありません。

工順に並行工程や代替の選択肢を設けることはできますか?

はい。並行工程は、その成果物が後続工程で必要になるまで、それぞれ独立して進められます。代替工順は、製品を製造するために承認された別の方法を示します。一方、代替リソースは、同じ工程を実施できる別の設備や作業場所などを示します。

これらはそれぞれ別の判断です。互いに独立した2つのサブアセンブリは、並行して製造できる場合があります。曲げ加工に使えるプレスブレーキが2台ある場合は、通常、どちらかを選べるという意味であり、曲げ工程が2回必要という意味ではありません。仕上げ加工を外注する工順では、工程の順序が変わり、輸送時間や外注先のリードタイムが加わることがあります。

MRPeasyの工順に関するドキュメントには、並行して進む工程や後で合流する工程を含め、工程間の依存関係が示されています。ただし、分岐した工程を実際に同時進行できるかどうかは、利用可能な設備、人員、工具によって決まります。

代替案を工順に登録するには、技術面での承認と、計画に使える所要時間が必要です。生産計画担当者は、急ぎの製造指図をスケジュールに収めるためだけに、新たな製造プロセスを独自に作り出してはいけません。

どのような工順の誤りがスケジュールの信頼性を損ないますか?

工程が抜けている。必要な検査や外注加工が計画から抜けていると、実際よりも早く次の工程に着手できると判断されてしまいます。該当する工程と、次の工程に進める条件を追加しましょう。

部門内のすべての設備を使用可能にしている。要件を満たせない設備にも作業が割り当てられてしまいます。一律に登録するのではなく、承認されたリソースと、その使用条件を指定しましょう。

所要時間の基準となる数量が不明確。12個のバッチにも120個のバッチにも、同じ時間が使われてしまいます。段取り時間、個当たりの加工時間、バッチごとに固定でかかる時間を分けて設定しましょう。

改訂情報や治工具の情報が古い。工順が旧設計のままになっています。製品や製造方法が変わったら工順を見直し、発行済みの製造指図がどの版を使用するかを管理しましょう。

不要な前後関係が設定されている。独立して実施できる工程が、別の工程の完了を待たされます。その制約が技術上のものなのか、それとも共用リソースの能力に起因するものなのかを確認しましょう。

より高度なスケジューリングルールを試す前に、こうした問題を修正しましょう。開始時刻を変えるだけでは、誤った工順を実行可能にすることはできません。

工順から生産スケジュールをどう作りますか?

工順には、工程、依存関係、使用可能なリソース、所要時間が定義されています。生産計画担当者は、これらに製造指図の数量、資材の準備状況、設備と作業者の稼働カレンダー、現在の進捗、納期、優先順位を組み合わせます。

その次の段階が生産スケジューリングです。工程の順序を守りながら、利用可能な生産能力に各工程を割り当てます。ジョブショップ型の生産では、異なる工順でも同じ設備を取り合います。単独では実行できる工順でも、ほかの製造指図が先に入っていれば待ち時間が生じることがあります。

SkyPlannerでは、ユーザーが製品の工程、所要時間、使用可能なリソース、依存関係を定義できます。Arcturusは、設定された生産データと優先順位に基づいてスケジュールを計算・再計算し、その結果をGanttビューに表示します。製造プロセスを定義するのはユーザーであり、スケジューリングエンジンが製品の工順を作り出すわけではありません。また、公開されたREST APIを通じて、あらゆるERPやMESと連携できます。定義した工順がどのようにスケジュールになるかを確認するには、デモデータでSkyPlannerを試すか、製品デモを予約してください。

よくある質問

「製造工順」と「生産工順」は同じ意味ですか?

この製造業の文脈では、どちらも製品の工程の流れを指します。輸送経路の最適化やネットワークのルーティングを意味するものではありません。

工順とBOMは同じものですか?

いいえ。BOM(部品表)は材料と部品を示し、工順はそれらを加工・組み立てる工程を示します。製品を変更する際は両者の整合性を保つ必要がありますが、一方をもう一方の代わりに使うことはできません。

製品ごとに別の工順が必要ですか?

必ずしも必要ではありません。所要時間、リソースの要件、仕様の違いを適切に扱えるなら、同じ製造プロセスの製品は工順を共用できます。ただし、設計や数量が異なると、別の承認済み工順が必要になることがあります。

工順の所要時間は生産リードタイムと同じですか?

いいえ。段取り時間と加工時間は、作業にかかる時間を示します。一方、生産リードタイムには、製造指図の発行から完了までの待ち時間やその他の経過時間も含まれます。製造指図がいつ完了するかを見積もるには、スケジュールと現在の生産状況が必要です。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlanner を使用してより明確な生産スケジュールを作成する

データを接続し、最初の計画を確認し、プランナーが実際に実行されるすべてのスケジュールを管理できるようにします。