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製造業のサイクルタイム:測定して生産計画に活かす

設備の高速化は計画改善の一部にすぎません。サイクルタイムを正しく測定し、現実的な工程時間を使ってSkyPlannerで生産スケジュールを作成しましょう。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新されました 2026年10月15日 2 分で読めます
この記事では
  1. 製造業のサイクルタイムは何を測るのか
  2. 製造業におけるサイクルタイムの計算方法
  3. 機械加工の例:段取り時間は分けて扱う
  4. 生産計画に使える実測データを集める
  5. 注文全体を見据えてサイクルを改善する
  6. 実測時間をSkyPlannerでより良い計画につなげる
  7. 多忙な機械加工現場での活用例
  8. 次の時間測定を生産計画に生かす

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推定読書時間: 9 分

機械加工の工程を1個あたり2分で計画しているのに、毎回バッチの完了が遅れる。加工サイクルが想定より長いのでしょうか。ワークを取り付ける時間が見積もりから抜けているのでしょうか。それとも、段取り時間を配分する際のバッチ数量が間違っているのでしょうか。

こうした疑問に答える手がかりとなるのが、製造業のサイクルタイムです。工程単位でのサイクルタイムとは、部品を1個生産する、または繰り返し作業の1サイクルを完了するために必要な時間を実測したものです。期待する作業速度ではなく、実際にどのくらいの時間で作業が進んでいるかを示します。

生産計画担当者にとって、その価値は数秒の短縮余地を見つけることだけではありません。信頼できる工程時間は、スケジュールを組むための確かな土台になります。SkyPlannerはその時間を使い、各リソースでいつ作業を実行できるかを計算します。古い見積もりに基づく計画を何度も修正するのではなく、製造現場の実態に即した計画づくりを支援します。

製造業のサイクルタイムは何を測るのか

サイクルタイムは、機械の動作、作業者の繰り返し作業、生産ラインから製品が完成して出てくる間隔などを表します。機械であれば、あるサイクル開始信号から次の開始信号までを測る場合があります。作業者であれば、ワークの取り付け、加工の補助、取り外しを経て、同じ開始位置に戻るまでを1サイクルとする場合があります。

これらの時間は、必ずしも同じではありません。作業者が複数の機械を担当する場合は、作業者の作業時間と機械の占有時間を分けて考える必要があります。複数のステーションが並行して稼働する場合、製品が完成する間隔は、1個の製品がライン全体を通過する時間とは異なります。

また、製造現場への投入から加工、組立、試験まで、生産全体の経過時間を指してサイクルタイムと呼ぶ場合もあります。この広い意味での時間には、加工、検査、移動、待ち時間が含まれることがあります。生産の流れを理解するには有用ですが、注文数量を掛けて使える1個あたりの機械時間ではありません。

実務では、数値を使う前に、どこからどこまでを測ったのか明記することが基本です。本記事では、生産計画の入力値として使う工程時間と1個あたりの時間に焦点を当てます。

指標わかること一般的な単位
工程のサイクルタイム繰り返し行う工程にどのくらいの時間がかかるか1サイクルまたは1個あたりの秒数・分数
生産リードタイム待ち時間を含め、品目が所定の工順を通過するまでにどのくらいの時間がかかるか経過時間(時間・日)
タクトタイム顧客の需要に応えるには、どのような生産ペースが必要か必要数量1個あたりの稼働可能時間
スループット一定期間にどれだけの数量が完成するか1時間または1日あたりの完成数量

タクトタイムは、需要から算出する、生産に求められる時間間隔です。一方、サイクルタイムは工程で実測する時間です。スループットは単位時間あたりの生産量を表します。これらを区別すれば、「1分あたりの生産個数」を「1個あたりの所要時間」として扱ってしまう、よくある誤りを防げます。

製造業におけるサイクルタイムの計算方法

1サイクルずつ測定する場合は、終了時刻から開始時刻を引きます。測定のたびに、同じ動作や信号を開始・終了の基準にしてください。

同じ品目を1つの工程で繰り返し生産する場合は、次の式で1個あたりの平均時間を計算します。

1個あたりの平均サイクルタイム = 実測した生産時間 ÷ その時間内に完成した数量

この計算で得られるのは、1個あたりの時間です。割る順序を逆にすると、単位時間あたりの生産量が求められます。

単位時間あたりの生産量 = 完成数量 ÷ 実測した生産時間

測定対象とする時間の範囲は、目的に合わせて選びましょう。稼働中のサイクルだけを測る場合は、別途記録した停止時間を除外します。停止を含む観測時間全体で計算すれば、その期間における実質的な平均完成間隔が得られます。どちらも有用ですが、わかることは異なります。既存の標準時間と比較する前に、どちらを使ったか記録しておきましょう。

数量の数え方も重要です。不良品がある場合、完成した全部品の数量で割るのと、合格した良品の数量だけで割るのとでは結果が異なります。良品数量を基準にした指標には、その旨を明記してください。品質ロスによって、機械のサイクルタイムと呼んでいる数値の意味が知らないうちに変わらないようにしましょう。

1サイクルで複数の部品を生産する機械では、さらに区別が必要です。機械の1サイクルあたりの秒数は、1個あたりの秒数ではありません。1個あたりの平均時間を表すには、1サイクルで生産する個数で割ります。ただし、リソースの計画には、実際のバッチサイクルの所要時間を使ってください。

機械加工の例:段取り時間は分けて扱う

マシニングセンタで部品を一個ずつ生産する例を考えましょう。通常の取り付け・取り外しを含む繰り返し生産を観測したところ、120分で60個が完成しました。この例では停止も不良品もありません。別途、段取りに30分かかります。

平均の工程時間は、次のようになります。

120分 ÷ 60個 = 2分/個

これは、観測した稼働中の生産量が毎時30個であることを示します。段取りを含めた注文全体でも、その生産ペースになるという意味ではありません。

この工程では、段取りと生産が同じリソースを使い、時間的な重なりがないため、計画上の所要時間は次の式で求められます。

工程の所要時間 = 段取り時間 + 数量 × 1個あたりの時間

注文数量段取り時間繰り返し生産の時間工程の総所要時間
60個30分120分150分
120個30分240分270分

最初のバッチから求めた1個あたりの平均時間に段取りを含めてしまうと、その数値を次のバッチの数量に合わせて使っても、正しい所要時間にはなりません。段取り時間と繰り返し作業の時間を分けておくことで、数量を変更しても同じ段取り時間を二重に計上せずに済みます。

逆の場合も同じ考え方です。見積もり時間に段取りがすでに含まれているなら、再度加算しないでください。炉など、許容されるバッチ数量の範囲内では処理時間が変わらないバッチ工程の場合は、加熱サイクルの時間にバッチ内の個数を掛けるのではなく、バッチ全体の処理時間を使います。

生産計画に使える実測データを集める

生産計画に役立つ時間研究は、大規模な改善プロジェクトにする必要はありません。実際の所要時間と計画が繰り返し食い違っている工程から始めましょう。

製品、工程、使用可能な機械、作業方法を明確にします。測定の開始・終了を何で判断するか、実際に作業する人と合意しておきましょう。数量を記録し、時間が安定しているのか、大きくばらつくのかを判断できるだけの繰り返し作業を観測します。段取り、停止、不良、通常とは異なる手直しは、それぞれ識別できるようにしておきます。

そのうえで、同じ条件同士を比較します。材料、プログラム、工具、作業方法、機械の違いが、ばらつきの原因かもしれません。多品種を扱う現場では、異なる製品をまとめて平均すると、実態が見えるどころか隠れてしまうことがあります。観測された最短サイクルは改善の参考になりますが、そのまま現実的な計画の標準時間になるわけではありません。

その数値に含まれていない作業がないか、作業者に確認しましょう。材料の取り出し、初品の確認、治具の清掃などは、機械の切削時間表示に出なくても、必要な作業である場合があります。無視したからといって作業がなくなるわけではなく、スケジュール上の所要時間が過小評価されるだけです。

最後に、それぞれのロスをどこに反映するか決めます。測定時間からシフト中の休憩を除いているなら、稼働可能時間にその休憩を反映してください。実質的な所要時間に定期的な停止を見込んだ余裕がすでに含まれている場合は、別の箇所で同じ余裕を二重に加えないようにします。こうして初めて、実測時間は単なる楽観的な数字ではなく、整合性のある計画の入力値になります。

注文全体を見据えてサイクルを改善する

サイクルタイムの測定は、どこを調べるべきかを示してくれます。取り付けや取り外しなどに時間がかかるなら、治具、工具の使いやすさ、材料の供給方法に改善の余地があるかもしれません。サイクルがばらつく場合は、作業方法の安定化や保全が必要かもしれません。長い段取りは、1個あたりの時間を増やして済ませるのではなく、別途分析すべきです。

納品すべき仕事の進行を制約している工程を優先しましょう。負荷の高いボトルネックで時間を短縮できれば、貴重な生産能力を確保できる可能性があります。一方、余裕のあるリソースで同じだけ時間を短縮しても、次工程をまだ実行できなければ、注文の完了日は変わらないことがあります。

だからこそ、改善とスケジューリングは一緒に考える必要があります。工程の高速化は作業に必要な時間を変え、生産スケジュールは、その時間をどこで活かせるかを示します。作業方法を改善したら、すべての納品が同じだけ早まると思い込まずに、該当する計画時間を更新し、その結果として作業順序がどう変わるかを確認しましょう。

実測時間をSkyPlannerでより良い計画につなげる

SkyPlannerでは、工程の計算方法として1個あたりの時間、単位時間あたりの数量、固定時間を選択し、段取りなどに必要な時間を別途記録できます。そのため、部品ごとに時間がかかる機械加工、生産速度を基準とする工程、所要時間が一定のバッチ工程を、それぞれの作業に合う形で表せます。

過去の生産データも、見積もりの精度向上に役立ちます。SkyPlannerは、該当工程の過去の生産時間に基づいて工程時間を提案でき、初期値の代わりにその見積もりを採用できます。ただし、これには関連する過去の生産データが必要です。まず使える実測データを集めるという作業の代わりにはなりません。

メリットは、実務に即したフィードバックの循環をつくれることです。現場が作業にかかった時間を記録し、計画担当者がその時間を確認することで、次の計画にはより適切な入力値を使えます。工具や作業方法、製品が変わる前に設定された標準時間に、いつまでも頼り続ける必要はありません。

そのうえで、SkyPlannerのスケジューリングAIであるArcturusが、設定されたリソースの能力、依存関係、優先順位に基づいて工程を割り付けます。Ganttチャートのスケジュールには、各リソースで計画された作業が表示されます。修正した工程時間は、同じ稼働可能時間を使うほかの注文とともに、スケジュール計算に反映されます。

バーを手作業で延ばし、影響を受ける作業順を一つずつ修正する代わりに、SkyPlannerでスケジュールを再計算し、その影響を確認できます。優先順位は担当者が決め、ルールやロックを使って決定事項を維持します。これにより、所要時間の精度が高まるだけでなく、その時間が納期を約束した仕事にどのような影響を与えるかも、より明確になります。

多忙な機械加工現場での活用例

フィンランドの受託機械加工会社Eskomaticは、多品種でロットサイズもさまざまな仕事を抱えながら、作業順の調整を主に手作業で行っていました。SkyPlannerの導入により、作業の順番が視覚的に把握しやすくなり、負荷を考慮した自動スケジューリングも可能になりました。同社によると、これにより現実的な納期を把握しやすくなり、顧客にもより正確に伝えられるようになったといいます。

この事例は、時間を測定した後に何をすべきかを示しています。生産情報を日々のスケジューリングに結び付け、作業予定と顧客に約束できる納期をより明確にすることです。

次の時間測定を生産計画に生かす

計画上の工程時間と生産実績のずれが続くなら、表計算シートの数値を修正するだけで終わらせないでください。より正確になった所要時間をスケジューリングシステムに反映し、そのオーダーの工順全体や、ほかの仕事への影響まで確認しましょう。

SkyPlannerは、公開されたREST APIを通じてあらゆるERPやMESと連携できるため、既存のシステムとSkyPlannerの計画機能をつなげられます。連携を設計する際には、製造にかかる時間をどのように収集し、転送するかも決めてください。

SkyPlannerのデモを予約して、代表的な製品の工順、直近に測定した工程時間、現在の計画で使っている標準時間をご用意ください。これらを基に、実態に即した所要時間を使うことで生産スケジュールをどう改善できるか、具体的に検討できます。まずはご自身で確認したい場合は、デモデータでSkyPlannerをお試しください。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlanner を使用してより明確な生産スケジュールを作成する

データを接続し、最初の計画を確認し、プランナーが実際に実行されるすべてのスケジュールを管理できるようにします。