あらゆるERPと連携

SkyPlannerのオープンREST APIは、社内ERPを含むERP、MES、運用システムと連携します。自社で構築することも、当社チームの支援を受けることもできます。

単体でも動作 — ERP連携はオプションで、必須ではありません。

連携プロジェクトを相談

以下のようなERP・MESシステムと連携

APS・スケジューリング

基準生産計画:納期を守れる計画を立てる

需給が合う計画でも、工場は納期を守れるでしょうか。基準生産計画を例で学び、実行に必要な作業をSkyPlannerでどうスケジュールするかを解説します。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新日 2026年10月19日 3 分で読めます
Product batches moving through a manufacturing machine to finished stock for the master production schedule
この記事の内容
  1. 基準生産計画とは
  2. MPS・MRP・詳細スケジューリングは、それぞれ役割が異なる
  3. 基準生産計画の例
  4. 予測と顧客注文は、一貫したルールで計上する
  5. 期末在庫を、そのまま納期回答可能な数量と考えない
  6. 計画を承認する前に、重要なリソースの能力を確認する
  7. 基準生産計画(MPS)で約束した数量と期日を、SkyPlannerで作業スケジュールに落とし込む
  8. 生産状況が変わっても使える計画を保つ
  9. 見込生産における生産能力の可視化:実際の事例
  10. 次に約束する製品の数量と期日に、より確かな裏付けを

営業部門は、来週の金曜日にはあるロットが完成すると見込んでいます。購買部門もその日に向けて手配を進めており、在庫計画上は需要を満たすだけの在庫があります。ところが生産部門で確認すると、そのロットに必要な設備は、すでに別の作業で埋まっていました。

問題は、必ずしも需要予測にあるわけではありません。製品の数量と納期についての約束と、それを実現するために必要な工程との間に、隔たりがあるのです。

基準生産計画は、何を生産し、いつ供給可能にするかを決めるための計画です。その約束を確かなものにするには、生産能力を踏まえた生産スケジュールにつなげる必要があります。SkyPlanner APSが詳細なスケジュール計算を担うことで、約束したロットの納期が遅れる前に、必要な作業を予定どおりに実行できるか確認できます。

基準生産計画とは

基準生産計画(MPS)とは、メーカーが対象とする製品や計画品目について、何を、どれだけ、どの日付または期間に生産する予定かを時系列で示した計画です。基準生産計画の策定・維持とは、こうした生産の約束を決め、継続的に管理することを指します。

これは供給計画であり、販売予測をそのまま写したものではありません。需要は、顧客が何を必要とする見込みかを示します。一方、MPSは在庫、未完了の生産、目標在庫、生産能力を考慮したうえで、何を生産する予定かを示します。

見込生産のメーカーでは、通常、完成品の入庫予定を計画します。受注組立生産では、重要なモジュールや半組立品を基準生産計画の対象にする場合があります。受注生産では、確定した顧客注文が生産の約束の起点となる場合があります。数量と日付が、生産上の判断に役立つ単位となるように、計画の対象レベルを選びましょう。

以下の週次の例で、MPSの入庫とは、その週に完成品が利用可能になることを意味し、その週に作業を開始するという意味ではありません。製造工程は、それより前に開始する必要があるかもしれません。顧客が火曜日に製品を必要としているなら、金曜日に完成しても需要を満たせません。同じ週の列に入っているからといって、間に合うわけではないのです。

利点は、部門間で共通の認識を持てることです。営業は供給可能になる時期を把握でき、購買は必要な資材を準備でき、生産は納入を求められている数量を把握できます。

MPS・MRP・詳細スケジューリングは、それぞれ役割が異なる

MPSは、事業全体の計画と品目別の生産をつなぎます。S&OPのプロセスで需要と供給の全体方針を定め、MPSでその方針を対象品目の数量と日付に落とし込みます。

その約束を実現するには、資材計画とリソースのスケジュールの両方が必要です。

計画の階層主に決めること代表的な計画結果
基準生産計画対象品目のうち、何を、どれだけ、いつ生産するか品目別の数量と供給可能日
資材所要量計画(MRP)どの部品や資材が、いつ必要か時期別の供給所要量と補充手配の提案
詳細な生産スケジューリング各工程を、どこで、いつ実行するかリソースの割り当て、工程の開始・終了時刻、作業順序

MRPは、製品の生産計画に部品表、在庫、手配済みの供給を組み合わせ、生産に必要な所要量を計算します。この計算については、MRPガイドで詳しく解説しています。

資材計画だけでは、すべての設備の作業待ちを解消できるわけではありません。詳細スケジューリングでは、作業の完了に必要な工程、リソースの利用可能時間、依存関係を結び付けます。既存の計画システムと併用しながら、その役割を担うのがSkyPlannerです。

基準生産計画の例

数量を設定する前に、計画対象品目ごとに、利用可能な完成品在庫、確定受注、需要予測、未入庫の生産予定数量を照合します。既存の生産予定数量は一度だけ計上し、新たな生産数量として二重計上しないようにします。安全在庫の目標と許容するロットサイズについて合意したうえで、約束した納入に必要な調達・生産リードタイムを十分にカバーできる計画期間を設定します。直近の期間は、重要な日付を把握できるよう十分に細かく区切る必要がありますが、先の期間はより大きな単位で扱えます。

標準的なポンプハウジングを100個単位のロットで生産する場合を考えてみましょう。利用可能な完成品在庫は70個あり、安全在庫として少なくとも30個を確保しながら、今後四週間の計画を立てます。この簡略化した例では、未完了の生産から追加される入庫予定はありません。

合意済みの需要量は、各週それぞれ80個、90個、60個、100個です。これらは顧客注文と残りの予測を織り込み済みで、同じ需要を二重に計上していません。各週の生産による入庫分は、対応する需要が発生する前に利用可能になるものとします。

基本となる在庫計算は、次のとおりです。

期末予測在庫 = 期首在庫 + 生産入庫量 − 需要量

各週の期末在庫が、翌週の期首在庫になります。

ポンプハウジング第1週第2週第3週第4週
期首在庫709010040
対応すべき需要量809060100
MPSで新たに計画する入庫量1001000100
期末予測在庫901004040

第1週に入庫がなければ、十個不足します。100個のロットを入庫すれば、需要を満たしたうえで90個が残ります。第2週は、その90個だけでは余裕在庫がなくなるため、追加のロットを生産し、期末在庫を目標の30個より多く保ちます。

第3週には新たなロットは不要です。利用可能な100個で60個の需要を満たし、40個が残ります。第4週は、余裕在庫を確保しながら需要を満たすために、さらに100個が必要です。

このように、MPSは毎週同じ数量を生産するよりも有用です。既存の在庫を活用し、需要に対応するために設定した余裕在庫を守りながら、第3週の不要な生産を避けられます。ロットサイズも重要です。100個単位で生産すると、正味所要量ぴったりの数量を生産する場合よりも在庫が多くなります。

この表で、供給計画の案はできました。ただし、工場がその予定どおりに完成品を供給できるかは、まだ確認できていません。

予測と顧客注文は、一貫したルールで計上する

注文は、まったく新しい需要として加わるのではなく、すでに予測した需要の一部を置き換えることがよくあります。予測が80個で、そのうち50個が確定注文になった場合、80と50を足すと、その部分を二重に計上してしまいます。

同じ期間内で注文分を予測から差し引く単純な予測消込みルールでは、残りの予測は30個、総需要は80個になります。一方、確定注文が95個に達した場合、需要は少なくとも95個です。実際の運用ルールでは、異なる日付にまたがって予測を消し込んだり、需要の区分を分けたり、直近の注文を別扱いにしたりする場合があります。

そのルールに従って計画システムが算出した需要を使いましょう。在庫表がどれほど整っていても、需要を重複計上していれば、不要な在庫を生むことになります。

期末在庫を、そのまま納期回答可能な数量と考えない

予測在庫と納期回答可能数量(ATP)は、異なる判断に使います。予測在庫は、計画に含まれる需要を差し引いた後の在庫を示します。ATPは、納期回答のルールに従い、追加の顧客注文に引き当てられる供給量を示します。

期末在庫がプラスでも、そのすべてを販売してよいわけではありません。一部は安全在庫として確保すべき数量かもしれず、顧客の希望日に利用可能であることも必要です。新たな約束をする前に、計画システムのATP計算を使い、生産が実行可能か確認しましょう。

計画を承認する前に、重要なリソースの能力を確認する

ラフカット能力計画による確認では、MPSの生産数量を主要な生産リソースへの負荷に換算します。個々の工程を詳細に検討しなくても、実行不可能な生産予定を見つけるのに役立ちます。

ポンプハウジングの例に戻りましょう。第1週のロットには、重要なマシニングセンタで段取りを含めて20時間かかるとします。同じ設備で、すでに生産を約束した他の製品に24時間が必要で、利用可能な時間は40時間です。

計画案の負荷は、利用可能な40時間に対して44時間です。在庫計画上は需給が合っていても、リソースの能力が足りません。

ここで、具体的な選択が必要になります。ロットの着手を早められるでしょうか。加工条件を満たす代替設備に空きはあるでしょうか。承認を得てシフトを追加すれば、不足を解消できるでしょうか。それとも、約束した製品の供給時期を変更する必要があるでしょうか。選択する前に、資材が間に合うか、他の注文にどう影響するかを確認しましょう。

週全体の負荷が能力内に収まっていても、作業順序の確認は必要です。後に仕上げや組立が残る作業では、週の後半に設備が空いても間に合わない場合があります。作業者の都合、前工程の進み具合、資材の納入時期によっては、設備に空きがあっても作業できません。

生産能力計画で負荷を評価し、有限能力スケジューリングで実際の工程を稼働可能な時間内に割り付けます。この2つを組み合わせれば、在庫残高が問題なしと表示されているだけでは分からないことまで把握できます。

基準生産計画(MPS)で約束した数量と期日を、SkyPlannerで作業スケジュールに落とし込む

需要予測と製品ごとの補充判断は、引き続きERPや計画業務で行ってください。SkyPlannerは需要を予測せず、予測から製造指図を自動生成することもありません。担当者が作成した製造指図、またはシステム連携で取り込んだ製造指図をもとに、生産スケジュールを組みます。

このように役割を分ければ、計画からスケジュールへの引き継ぎが明確になります。MPSで計画数量と供給可能日を定め、SkyPlannerでそれを実現するための作業の詳細スケジュールを計算します。

SkyPlannerは、公開されたREST APIを通じて、あらゆるERPやMESと連携できます。すでに業務に適したERPを置き換えることなく、既存の受注・生産データをSkyPlannerのスケジューリングエンジンにつなげられます。ERP・MESとの連携方法をご覧ください。

ハウジングのロットをスケジュールする際には、工程と所要時間、段取りの要件、使用可能な設備や作業場所、勤務シフト、作業者の稼働可能時間が役立つ入力情報になります。Arcturusは、同じ計画に含まれる他の製造指図も合わせて、設定された生産能力、依存関係、優先順位に基づき、各作業の割り付けを計算します。

計算結果はGanttチャート上のスケジュールで確認できます。ロットが各工程を進む流れを追い、同じリソースを使う他の作業を確認し、完了予定日をMPSで必要とする供給可能日と比較できます。完了が間に合わない場合は、購買や営業が実現できない日付を前提に業務を進めてしまう前に、どの数量・期日の約束を見直すべきか分かります。

優先順位は担当者が決め、計算はArcturusが担います。優先順位を変更したり、生産能力の変更を登録したりすると、影響を受けるスケジュールを再計算できるため、作業の順番を手作業で組み直す必要がありません。

資材を考慮したスケジューリングを有効にすると、Arcturusは開始時刻の計算に在庫と入荷予定の資材も織り込みます。購買品の納入予定は、資材を使用できる見込みを示すものであり、入荷済みの在庫ではありません。入荷を確定すると在庫が更新されます。これらの入力情報を最新に保つことで、仕入先の納入遅れが生産スケジュールにも反映されます。

スケジューリング業務の全体像については、生産スケジューリングガイドをご覧ください。

生産状況が変わっても使える計画を保つ

基準生産計画には安定性が必要ですが、現実の状況に対応する仕組みも欠かせません。直近の数量や期日を頻繁に変更すると、購買や生産に混乱が生じます。一方、実現不可能な約束を変更しないままにしても、その混乱が表面化するのを先送りするだけです。

直近の基準生産計画(MPS)を変更する際、どの変更に承認が必要かを合意しておきます。計画タイムフェンスを使うと、変更を管理する期間を定め、その先の期間には柔軟性を残せます。この期間は一律の日数ではなく、自社の生産と調達のリードタイムに基づいて設定します。

こうした業務上の変更管理と、詳細スケジュール上の作業の割り付けを保護することは別です。SkyPlannerのRunning Time Lockは、指定した期間内に予定されている作業をArcturusが再スケジュールしないようにします。先の作業を見直す間も、現場がこれから着手する作業の予定を維持するのに役立ちますが、MPS自体の変更を承認するためのワークフローではありません。

例外が発生したら、次のように状況を計画へ反映します。

  • 需要が増えた場合:既存在庫で対応するか、約束した生産数量を変更するかを決め、追加作業を処理する能力があるか確認します。
  • 資材の入荷が遅れた場合:使用可能になる予定日を更新し、資材を考慮したスケジューリングを有効にして詳細スケジュールを再計算します。ロットの完成が期日に間に合わなくなった場合は、MPSの入庫予定を修正します。
  • リソースの能力が低下した場合:稼働可能時間の変更を登録し、その結果として変わった完了予定日を確認して、どの数量・期日の約束に別の対応が必要か判断します。

見直し後の数量と日付を、製品計画を使う関係者に伝えます。価値があるのは、決して変わらないスケジュールではありません。変更内容を誰もが理解し、それに沿って行動できることです。

見込生産における生産能力の可視化:実際の事例

予測しやすい需要と柔軟な生産をどう結び付けるか、その参考になるのがOpes Corporationの事例です。フィンランドのこの専門メーカーは、通常、顧客と取り決めた予測しやすい3か月分の数量・期日をもとに、見込生産を行っています。

以前はExcelと別の倉庫管理アプリケーションを併用していたため、情報が分散していました。SkyPlannerの導入時には、Visma Novaとの連携を実施しました。導入事例では、生産能力をより明確に把握できるようになり、製品開発のための生産や少量の急ぎ注文が通常の計画に割り込んだ際も、スケジュールを迅速に変更できるようになったと紹介されています。

Opesは、導入事例で報告された期間に、納期遵守率100%を維持したと述べています。この結果の基盤にあるのは、見込生産の方式と、予測しやすい顧客との数量・期日の取り決めです。SkyPlannerは、生産能力と待機中の作業を可視化することで、その運用を支えています。

この事例から得られる実務上の教訓は、需要を予測しやすい場合でも、想定外の作業が入ったときの影響を確認できるスケジュールが役立つということです。Opes Corporationの導入事例をご覧ください。

次に約束する製品の数量と期日に、より確かな裏付けを

実務に役立つMPSは、需要、在庫、生産数量を一つの計画にまとめます。実務に役立つ生産スケジュールは、それを工場でどう実現するかを示します。両者を結び付けておけば、不足、過負荷、入庫の遅れに対して、まだ手を打てるうちに対応できます。

自社の生産でこのつながりを確認するには、SkyPlannerのデモをご予約ください。定期的に生産している製品を1つ選び、その工順と、予定どおりの入庫が難しかった週の情報をご用意ください。それを具体的な出発点として、約束した数量と期日を実現するための作業をSkyPlannerでどうスケジュールできるか確認できます。

まずはスケジューリング機能を確かめたい方は、デモデータでSkyPlannerをお試しください。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlannerで、わかりやすい生産スケジュールを

データを連携し、最初の計画を確認。本番稼働するすべてのスケジュールは計画担当者が最終判断します。