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ラフカット能力計画:RCCPでMPSの実現性を検証

主要リソースの能力で基準生産計画を実行できますか?ラフカット能力計画の計算例で過負荷を見つけ、実行可能なスケジュールにつなげましょう。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新されました 2026年10月15日 3 分で読めます
この記事では
  1. ラフカット能力計画とは?
  2. RCCPの位置づけ:MPS・MRP・CRP・スケジューリングとの関係
  3. ラフカット能力計画における能力所要量の計算方法
  4. どのRCCP手法を使うべきか?
  5. RCCPの計算例:機械時間が19時間不足する週
  6. 能力超過を具体的な判断につなげる
  7. RCCPで問題がなくても納期遵守が保証されない理由
  8. 能力面の判断からSkyPlannerでのスケジュール作成へ
  9. KJH-Comp:週単位の概略負荷管理から、その先へ
  10. 次回の能力確認を、実行できる計画につなげる

ホーム » リソース » ラフカット能力計画:RCCPでMPSの実現性を検証

推定読書時間: 11 分

基準生産計画は、何を生産するかを示すものです。ラフカット能力計画では、その計画を主要リソースの能力で実行できるかを確認します。工場で実現できない計画に基づいて購買・製造・営業が動き出す前に、この確認を行うことが重要です。

ラフカット能力計画(RCCP)では、計画生産数量を主要リソースへの負荷に換算し、利用可能な能力と比較します。これにより、基準生産計画を維持するか、数量や日程を変更するか、能力を追加で確保するかを早い段階で判断できます。

ただし、週単位で負荷と能力が釣り合っていても、個々の作業を実行可能な順序に並べられるとは限りません。機械の総稼働時間が足りていても、特急注文の処理が必要な時間帯に使えないことはあります。まずRCCPで生産を約束できるかを検証し、次にSkyPlanner APSで、その計画に必要な作業を整合の取れたスケジュールに落とし込みましょう。Arcturusがリソースと設定された優先順位に応じて作業日時を計算し、生産や納期への影響をGanttタイムラインで確認できます。

ラフカット能力計画とは?

RCCPは、基準生産計画(MPS)の実現を妨げる可能性があるリソースに絞り、必要な能力が確保できるかを確認する手法です。対象には、ボトルネックとなる機械群、専門技能を持つ組立チーム、炉、能力に制約のある生産ラインなどが挙げられます。

確認する点は明確です。計画の各期間について、MPSがそのリソースをどれだけ必要とし、実際にはどれだけの能力を確保できるかを見極めます。

「ラフカット」と呼ぶのは、すべての工程の実行順序を決めなくても、負荷と能力の大きな不一致を把握できるからです。主要リソースを選び、所要量を簡略化したモデルで表します。そのため、生産の確約内容を変更したり、シフトを追加したり、外注を検討したりする余地がある段階で役立ちます。

多くの製造業では週単位の集計が有効ですが、RCCPの計画対象期間が何週間、何か月と一律に決まっているわけではありません。必要な意思決定をカバーできる長さを確保し、その判断で解消すべき過負荷が見える集計単位を選びましょう。実施までに時間のかかる能力変更は、残業対応よりも早く判断する必要があります。

RCCPの位置づけ:MPS・MRP・CRP・スケジューリングとの関係

それぞれの計画業務で明らかにすることは異なります。

計画業務主に明らかにすること主な対象・詳細度
基準生産計画の立案どの製品を、どの期間に、どれだけ生産するか?基準生産計画の対象品目と計画完成数量
ラフカット能力計画主要リソースの能力で基準生産計画を実行できるか?期間別の主要リソース負荷
資材所要量計画(MRP)どの資材・部品が、いつ必要か?製品構成と供給データに基づく所要量
能力所要量計画(CRP)詳細な資材計画の実行に、どれだけの能力が必要か?工程・ワークセンターごとの、より詳細な能力所要量
詳細な生産スケジューリングどの作業を、どこで、いつ実行するか?ワークステーション、工程、シフト、依存関係、作業の優先順位

MPSとRCCPは、結果を相互に反映しながら見直すものです。能力の確認で問題が見つかったら、計画案または利用可能な能力を修正し、再度確認します。過負荷の基準生産計画をそのまま後工程に渡し、詳細なスケジューリングで不足する稼働時間まで補えると考えてはいけません。

逆方向のフィードバックも重要です。詳細なスケジューリングで繰り返し発生するボトルネックが見つかったら、その情報を能力の前提条件に反映します。前四半期の製品構成では重要でなかったリソースも、次回のRCCPでは確認対象に含める必要があるかもしれません。

ラフカット能力計画における能力所要量の計算方法

計算の出発点はMPSの生産数量です。その数量に販売需要を上乗せしてはいけません。基準生産計画には、すでに生産の意思決定が反映されているはずです。同じ需要を再び加えると、負荷を過大に見積もることになります。

時間ベースのモデルでは、次の式を使います。

リソース所要時間 =(MPS数量 × 1個当たりのリソース所要時間)の合計 + 別途モデル化した段取り時間(ある場合)

選定したリソースと期間ごとに計算し、同じ単位で表した利用可能な能力と比較します。

負荷率 = 所要時間 ÷ 利用可能時間 × 100%

負荷率が100%を超える場合、設定した前提条件では過負荷になっています。100%未満なら合計時間は能力内に収まりますが、すべての作業がそれぞれの納期に間に合うと証明されたわけではありません。

次の5つの手順で計算を組み立てます。

1. 主要リソースを選ぶ。約束した生産を妨げる可能性のある機械、技能、ラインを対象にします。工場全体の合計だけで見ると、あるリソースの過負荷が別のリソースの余力に隠れてしまうため、避けましょう。

2. リソース所要量を定義する。基準生産計画の対象品目ごとに、一貫した基準の能力表またはリソースプロファイルを使います。機械時間と労働時間は分けて扱います。関連する部品の作業も含めますが、ほかの箇所で二重計上しないようにします。

3. 負荷を適切な期間に割り当てる。主要工程を完成品の納期より前に実行する場合は、それに合わせて所要量の計上時期を前倒しします。便宜上、完成週にまとめて計算すると、それ以前の能力不足を見落とすおそれがあります。

4. 現実的な利用可能時間を計算する。稼働カレンダー、人員配置、計画停止を基に算出します。能率を考慮した補正は一貫した方法で適用し、同じロスを二重に差し引かないようにします。

5. 過不足を確認し、計画を再計算する。対応案と、それによって変更されるリソース・期間、変更後の負荷を記録します。対応について合意できていなければ、過負荷は解消されていません。

生産数量で管理するほうが適切なラインでは、時間ではなく生産レートを基に、期間ごとの計画数量と実現可能な生産数量を比較します。生産レートには必ず製品構成を反映させてください。異なる製品を、常に同じ1個として扱えるわけではありません。

どのRCCP手法を使うべきか?

代表的な手法は次の3つです。簡便さと、負荷をどこまで具体的に把握できるかが異なります。

  • 総合係数による能力計画(CPOF)では、MPSを総負荷に換算した後、過去のリソース別比率を使って配分します。短時間で概算できますが、製品構成が変わると、過去の比率では実態を捉えられないことがあります。
  • 能力表は、製品ごとに必要な主要リソースの時間を定義したものです。総数量が同じ2つの基準生産計画でも、まったく異なるボトルネックが生じる理由を把握できます。
  • リソースプロファイルでは、さらにリードタイムに応じて所要量の計上時期をずらし、期間別に割り当てます。完成品が完成する期間よりも前の期間に実施すべき主要工程を把握するのに役立ちます。

必要な意思決定に関わる問題を把握できる範囲で、できるだけ簡単なモデルを使いましょう。製品によって共有リソースにかかる負荷が異なる場合は、能力表を使った計算が出発点になります。工順が複数の計画期間にまたがる場合は、所要量の計上時期をずらします。

RCCPの計算例:機械時間が19時間不足する週

2種類のポンプアセンブリ、AとBを生産するメーカーを想定してみましょう。どちらも同じ機械加工設備群と組立チームを使います。この簡略化した例では、主要作業は完成と同じ週の中で行われるものとし、1個当たりの所要時間には、想定される段取り時間の配賦分も含まれています。

製品1個当たりの機械加工時間1個当たりの組立工数(人時)第1週のMPS数量第2週のMPS数量第3週のMPS数量
A0.400.25120180100
B0.750.508010080

機械加工グループには設備が二台あります。各設備は、八時間シフトの二交替制で五日間稼働します。予定稼働時間は、2台 × 2シフト/日 × 8時間/シフト × 5日 = 160機械時間です。計画上の能力係数80%を適用すると、週当たりの利用可能能力は128機械時間になります。この係数には想定される能力ロスを織り込んでいるため、同じロスを重ねて差し引くことはありません。

組立チームの利用可能な能力は、人員配置と稼働カレンダーから別途計算し、週当たり96人時とします。

第2週に必要な機械加工時間は、次のとおりです。

(180 × 0.40) + (100 × 0.75) = 147機械時間

利用可能な128時間に対して19時間不足し、負荷率は小数第一位に丸めると114.8%になります。

主要リソース週当たりの利用可能時間第1週の所要時間第2週の所要時間第3週の所要時間
機械加工設備群128108147100
組立チーム96709565

組立負荷はどの週も能力内に収まりますが、余った組立工数を機械加工時間の代わりに使うことはできません。また、第3週に機械能力の余裕があっても、納期を変更しない限り、第2週の納入約束を守るためには使えません。

能力超過を具体的な判断につなげる

選択肢として、第2週に実際に使える機械加工時間を19時間追加することが考えられます。費用と人員配置の確認は必要ですが、能力面で何をすべきかは明確です。

別の選択肢は、Aの50個分を第2週ではなく第1週に生産することです。これにより、機械加工の20時間分と組立の12.5人時分が前倒しになります。

主要リソース変更後の第1週の負荷変更後の第2週の負荷週当たりの能力
機械加工グループ128127128
組立チーム82.582.596

変更後のMPSでは、Aの生産数量が順に170、130、100となり、Bは80、100、80のままです。三週間の総生産数量は変わりません。この計算上では能力超過が解消されます。ただし、第1週の機械加工には、能力に織り込み済みのロスを超える余裕はありません。

したがって、前倒し生産はコストのかからない解決策ではなく、事業上の判断です。資材を早く手配し、組立品の保管場所を確保する必要があります。また、その製品の需要や仕様から見て、前倒し生産が妥当でなければなりません。これらのコストを、残業や外注、納期変更の交渉にかかるコストと比較します。

ラフカット能力計画(RCCP)は、選択肢を具体化します。ただし、どの納入約束を優先することが自社にとって最も価値があるかを決めるものではありません。

RCCPで問題がなくても納期遵守が保証されない理由

変更後の例では、どちらのリソースも週単位の負荷が能力内に収まっています。ここで、第1週のある注文に必要な資材が木曜日まで届かず、ほかの複数の注文も金曜日の組立に間に合わせるために同じ機械加工グループを使う必要があると仮定してみましょう。

週全体の128時間と、資材到着後に残っている稼働時間は同じではありません。ここでは、作業順序、シフトの区切り、組立工程への引き渡しが重要になります。ラフカット能力計画では、合計値だけからこうした日程の成立可否を判断することはできません。

負荷と能力が釣り合う計画でも、実行段階で支障が出る理由は主に4つあります。

  • 期間内のタイミング:複数の作業が同じ日に同じリソースを必要とする。
  • 工程間の依存関係:組立能力に空きがあっても、必要な部品の機械加工が終わるまでは組立を始められない。
  • リソースの適合性:別の機械に空き時間があっても、必要な加工ができない。
  • 状況の変化:確認後に資材の遅延、故障、特急注文が発生し、計画が変わる。

ここで必要になるのが、集計値による能力確認から有限能力スケジューリングへの移行です。RCCPは初期段階で納入約束の可否を判断するために使い、各作業を実際にどう組み合わせれば実行できるかは、詳細なスケジュールで検証します。

能力面の判断からSkyPlannerでのスケジュール作成へ

能力面での判断を各機械の作業順序に落とし込み、生産状況が変わるたびに組み直すことに計画担当者の時間が取られているなら、次のステップとしてSkyPlanner APSをおすすめします。基準生産計画を策定する業務では引き続きRCCPを使い、その後の詳細なスケジューリングにSkyPlannerを活用してください。

業務・生産データの管理元は、引き続きERPとします。SkyPlannerは公開REST APIを通じて、あらゆるERPやMESと連携できます。その情報を生産スケジューリングに結び付けることで、担当者が何度も手作業で計画を組み直す必要をなくします。

設備や作業区などのリソース、工程、シフト、作業者、優先順位を設定します。Arcturusは、設定された能力、依存関係、ルールに基づいてスケジュールを計算します。資材を考慮するスケジューリングを有効にすると、資材の利用可能状況や入荷予定も日程に反映されます。計算結果の作業とその相互関係は、Ganttタイムラインで確認できます。

ポンプの例で次に行うのは、変更後の生産数量でスケジュールを作成し、機械加工と組立がいつ完了するかを確認することです。資材の入荷日が変わった場合は、入荷情報を更新して再計算します。Gantt画面を見れば、納入約束を維持するか、優先順位を変更するか、能力を追加で確保するかを、具体的な根拠に基づいて判断できます。

これにより、ラフカット能力計画の計算だけでは対応できない作業、つまり複数のリソースにまたがる作業の調整と、状況変化に応じた再調整の手間を削減できます。優先順位は計画担当者が決め、スケジュールの計算はArcturusが行います。それでも必要な作業が納期までに収まらない場合は、週単位の合計負荷が能力内に収まっているという理由で問題が隠れることなく、事業上の判断が必要だと分かります。

KJH-Comp:週単位の概略負荷管理から、その先へ

フィンランドで板金加工を受託するKJH-Compは、すでにC9000 ERPと表計算ソフトで週単位の概略負荷を管理していました。課題は、その先にありました。顧客の注文には日付単位の納期がある一方で、現場責任者は依然として手作業で各機械に作業を割り当てていたのです。2人の現場責任者は、それぞれ勤務時間の少なくとも半分を、能力を踏まえたスケジュール調整に費やしていました。

同社はERPを維持したまま、有限能力スケジューリングのためにSkyPlannerを導入しました。公開された導入事例の中で、KJH-Compは、機械への自動割り当て、ボトルネックの早期把握、手作業によるスケジュール調整の削減について報告しています。スケジュール管理は現場責任者2人から1人の担当となり、もう1人は別の業務に移りました。

KJH-Compの報告によると、納期遵守率は約50%から、2026年には最大98%に向上しました。これは同社が自社で導入・運用した際の経験です。RCCPの検証に役立つのは、同社が実務上の隔たりを埋めた点です。週単位で負荷を把握するだけで終わらず、日々の作業を整合の取れた形に組み立てられるようになり、現場責任者が再び手作業で各機械の作業順序を作る必要がなくなりました。

次回の能力確認を、実行できる計画につなげる

次回のMPS見直しでは、負荷と能力の差が最も大きい主要リソースを特定してください。生産時期をずらすか、実際に使える能力を追加するか、納入約束を変更するかを合意したうえで、ラフカット負荷を再計算します。変更した作業を現場に指示する前に、ほかの作業や資材の利用可能状況と照らし合わせ、詳細な日程を確認してください。

この最後のステップを、SkyPlannerでより速く、判断に役立つものにしましょう。デモデータでトライアルを始めると、スケジューリングの流れを確認できます。また、デモを予約することで、自社のボトルネック、シフト、納入約束に沿った説明を受けられます。実現したい生産計画をご用意ください。ArcturusとGanttタイムラインを使って、現場で使えるスケジュールへと具体化する方法をご確認いただけます。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlanner を使用してより明確な生産スケジュールを作成する

データを接続し、最初の計画を確認し、プランナーが実際に実行されるすべてのスケジュールを管理できるようにします。