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品質不良コストの計算方法と損失の削減

品質不良による実際の損失を把握。COPQを明確に計算し、優先して減らす損失を選び、SkyPlannerで復旧作業を計画します。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新日 2026年10月24日 3 分で読めます
A cracked component connects to wasted material, corrective work and a returned parcel, showing poor-quality costs.
この記事の内容
  1. COPQに含める費用と、品質コストに含める費用の違い
  2. 追跡できる不良を基に計算する
  3. 1. 対象範囲・期間・原価計算の基準を明示する
  4. 2. それぞれの不良が引き起こした影響を追う
  5. 3. 各費用は一度だけ計上する
  6. 品質不良コストの計算例
  7. COPQを売上高に対する比率で表す
  8. 発生したコスト、支出の削減、取り戻した生産能力を分けて考える
  9. 金額の大きさだけで判断せず、最初に対処すべき損失を選ぶ
  10. 品質不良に伴う作業をSkyPlannerで見える化する
  11. 品質不良の事例を1件用意して、SkyPlannerのデモへ

ホーム » リソース » 品質不良コストの計算方法と損失の削減

推定読書時間: 11 分

品質不良コスト(COPQ)とは、内部失敗コストと外部失敗コストを合わせたものです。製品やサービスが要求事項を満たさなかったために失われたリソースや、必要になった追加作業の費用を指します。製造業では、廃棄する材料の費用だけにとどまりません。手直し、不良に伴う選別、顧客からの返品、保証対応によって、不良の発生から長期間が経過した後も費用や生産時間が費やされることがあります。

基本の計算式は次のとおりです。

品質不良コスト = 内部失敗コスト + 外部失敗コスト

不良率からは、生産でどの程度の頻度で不良が発生したかが分かります。一方、COPQは、その不良がどこで最も大きな損失を生み、どの改善を優先すべきかを判断するために役立ちます。重要なのは、単に損失額を大きく見積もることではありません。品質問題とそのコスト、そして改善につながる対策の関係を明確にすることです。

SkyPlannerは、その関係を実際の業務に反映するために役立ちます。不良品に使用した材料の記録と生産時間の記録から、消費されたリソースを把握できます。また、共有の生産スケジュールを使い、すでに納期を約束した受注への対応と調整しながら、承認済みの復旧作業を組み込めます。

COPQに含める費用と、品質コストに含める費用の違い

COPQの計算対象は、失敗によって生じたコストに限定します。これは、品質不良コストと、より広い概念である品質コスト(COQ)を分けるASQの区分に沿った考え方です。

内部失敗コストは、顧客が製品を受け取る前に見つかった不良によって生じます。不合格となった材料、廃棄部品にすでに投入した加工費、修正加工、不合格後の再試験、不良ロットの調査などが該当します。

外部失敗コストは、顧客が製品を受け取った後に見つかった不良によって生じます。返品の輸送費、保証修理、代替品、苦情対応、出張サービスなどが含まれます。生産部門ではなく顧客サービス部門に請求される費用であっても、不良が原因で発生したことに変わりはありません。

予防と通常の評価にかかる費用は、より広い品質コスト(COQ)に含まれます。教育訓練、工程計画、計画に基づく検査、品質監査は、問題の予防や検出に役立つ活動です。これらの費用が発生したからといって、不良が発生したとは限りません。

区分を決めるのは、その作業がなぜ必要になったかです。通常の最終検査は評価に当たります。一方、不良ロットが流出したために行う在庫の追加検査は、不良の影響拡大を防ぐための対応です。検査時間をすべて同じように分類せず、目的を明確にしてください。

この考え方では、次のように整理できます。

品質コスト = 予防コスト + 評価コスト + COPQ

これらを分けて管理すると、より適切に判断できます。初品検査を充実させれば、評価の工数は増えても、それを大きく上回る廃棄損失を防げる可能性があります。教育訓練への支出が増えても、手直しが減ることもあります。目指すのは品質部門の予算を最小限に抑えることではなく、全体としての経済性を高めることです。

追跡できる不良を基に計算する

まずは対象を一つの生産エリアまたは製品群に絞り、集計期間を決めます。対象範囲を明示すれば、初回の計算は工場全体を網羅しなくても有用です。品質・生産・経理の各部門で協力しましょう。品質部門は不良の内容を特定し、生産部門は復旧に要した作業を説明し、経理部門は金額と重複計上の有無を確認します。

1. 対象範囲・期間・原価計算の基準を明示する

実務では、例えば次のように定義できます。「機械加工部品事業の月次の内部失敗コストおよび外部失敗コスト。消費した材料と、合意したリソース単価で評価した作業を含め、回収額を差し引く。」

どの時点で費用を集計に含めるかを決めます。月内に発生した費用を集計する場合、以前に出荷した製品の保証対応も含まれることがあります。これは現在の負担を管理するうえでは有用ですが、当月に生産した製品の全期間にわたる失敗コストではありません。後者を把握したい場合は、対象の生産ロットなどを定め、その後のクレームまで追跡します。

材料の評価額、労務単価、設備単価には、一貫した基準を使います。不良の有無にかかわらず賃金や設備費の支払いが発生するとしても、リソース費用を配賦すれば、品質不良によって何が消費されたかを示せます。後で削減効果を判断する際には、この違いを踏まえる必要があります。

2. それぞれの不良が引き起こした影響を追う

不良事象ごと、または記録を照合したロットごとに、製品や受注、満たせなかった要求事項、発見した時点、処置を記録します。処置には廃棄、手直し、返品、その他の承認済み対応があります。そのうえで、関連する数量、作業時間、追加材料、外部サービス、顧客対応の費用を集めます。

不良が発生した工程だけでなく、その後の作業にも目を向けましょう。不良ロットが発生すると、倉庫担当者による在庫の隔離、検査員による選別、作業者による修正、顧客サービス部門による返品の手配が必要になることがあります。これらを同じ不良事象にひも付ければ、たまたま費用を計上した部門の責任にすることなく、コストを可視化できます。

製造日報、材料の入出庫記録、不適合記録、請求書、保証対応記録を組み合わせて確認します。推定した時間や費用には推定値であることを明記し、未確認の項目も分かるようにしておきます。十分な根拠がある部分の計算結果を使って対策を進めながら、不足するデータを補うことができます。

3. 各費用は一度だけ計上する

廃棄損の計上額には、材料費、労務費、配賦された間接費がすでに含まれている場合があります。その金額を使うなら、材料費や加工費を再び加えてはいけません。同様に、保証対応の精算額に、別の記録にも載っている輸送費や修理費が含まれている場合があります。

時間単価は、合算する前に内訳を確認します。作業者の労務費を含む設備単価に、その作業者の労務費全額を調整せずに加えることはできません。工数(人時)と設備稼働時間は異なるリソースを表すため、同じ時間帯に発生することがあります。ただし、費用の構成要素を重複させてはいけません。

不良品と、その代替品も区別します。不良品の価額を損失とし、良品の代替品1個分は受注を履行するための通常原価として扱うことができます。その場合、代替品の原価全額を別の損失として追加しないでください。再度の段取り替えや緊急輸送など、復旧のために実際に追加発生した費用は、基準を明示して計上します。

品質不良コストの計算例

あるメーカーが、機械加工部品事業で発生した1か月分の不良を振り返るとします。以下の金額は米ドル建ての例です。合意したリソース単価を使い、各費用は一度だけ計上し、記録で確認できる回収額を差し引きます。

失敗コスト計算内容月額
内部での廃棄損失(回収額控除後)不良部品80個 ×(材料費$18 + 発生済み加工費$12)− スクラップ売却回収額$160$2,240
内部での手直し労務費120個 × 0.25人時 × $30/人時$900
内部での手直し設備費設備稼働20時間 × $20/時間(上記の労務費を除く)$400
手直し用の追加材料費該当する修正作業のために払い出した材料$240
内部不良に伴う追加選別12人時 × $30/人時$360
外部不良への対応返品運賃$300 + サービス作業10人時 × $40 + 保証用代替品の購入費$900 − 仕入先による減額$200$1,400

外部不良への対応の行にある代替品の購入費は、内部で廃棄した80個の部品ではなく、別の顧客クレームに関するものです。そのクレームについて、廃棄損を重ねて計上したり、すべての費用を含む保証精算額を表の別の箇所に計上したりはしていません。

内部失敗コスト = $2,240 + $900 + $400 + $240 + $360 = $4,140

外部失敗コスト = $1,400

月次COPQ = $4,140 + $1,400 = $5,540

これは、記録で確認できる不良について、消費したリソースを管理上のコストとして集計した金額です。不良をなくせば翌月の支払額が直ちに$5,540減る、という約束ではありません。通常の予防・評価費用、未記録の損失、推測に基づく販売機会の損失は含んでいません。データが充実した後も有用な比較ができるよう、数値とともにこうした制約を明示しておきます。

COPQを売上高に対する比率で表す

負担の推移を比較するには、次のように計算できます。

売上高に対するCOPQの比率 = COPQ ÷ 指定した対象範囲・期間の売上高 × 100

同じ事業の月間売上高が$200,000の場合、次のようになります。

$5,540 ÷ $200,000 × 100 = 2.77%

これは売上高に対するコストの比率であり、不良率ではありません。また、当月に出荷した製品の2.77%が不良だったという意味でもありません。外部失敗コストには、以前の出荷品に関する費用が含まれる場合があるためです。比率だけでなく、米ドル建ての総額と、その内訳となる失敗コストの区分も併せて確認してください。繰り返し発生する問題が一つも解消されていなくても、売上高が増えた月には比率が下がることがあります。

発生したコスト、支出の削減、取り戻した生産能力を分けて考える

この例の手直しには、人件費$900、設備使用費$400、材料費$240の合計$1,540がかかっています。また、作業工数は30人時、設備稼働時間は20時間でした。これらは同じ作業を異なる側面から捉えたものであり、合計額にさらに3つの費用を加算するものではありません。

改善によってこの手直しが不要になれば、その時間を別の用途に使えるようになります。ただし、実際の支出も減るかどうかは、何が変わるかによります。残業の回避、材料購入量の削減、外部に依頼する修理の減少は、支出の削減につながります。一方、給与の支払い対象となる通常の勤務時間内で人員を別の作業に振り向けた場合は、有効に使える生産能力が生まれても、給与総額が減るとは限りません。

どのリソースで時間を取り戻せるかも重要です。受注品の生産を滞らせている設備で確保できる20時間は、待ち作業のないリソースの20時間より価値が高い場合があります。取り戻した生産能力から得られる追加の限界利益を見積もる場合は、根拠となる需要、利用可能な時間、追加で発生する費用を示してください。この見積もりは過去に発生したCOPQの合計額とは分けて扱い、失われた売上高を失われた利益と同じものとして計上しないでください。

こうした区別により、改善提案の説得力が高まります。品質不良によってどれだけのリソースが費やされたかに加え、提案する改善によって、費用面や納期面で具体的にどのような効果が得られるかを説明できます。

金額の大きさだけで判断せず、最初に対処すべき損失を選ぶ

費用を分類するときは、「廃棄」「手直し」といった区分だけでなく、製品群と満たせなかった要求事項など、問題の把握に役立つ切り口を使います。繰り返し発生する問題を費用の大きい順に並べ、金額ベースでパレート分析を行います。そのうえで、その順位を顧客や生産への影響と照らし合わせて確認します。

安全性、要求事項への適合、顧客への影響に関わる緊急のリスクには、費用の順位にかかわらず、封じ込め措置が必要です。改善活動の対象には、繰り返し発生する大きな損失のうち、チームが調査できる証拠があり、責任を持って対策を実行できるものを選びます。

この例では、記録された費用が最も大きい項目は、$2,240の廃棄です。しかし、$1,540の手直しが、重要な納品の制約となっている設備で繰り返し発生しているとしたらどうでしょうか。記録上の費用は少なくても、手直しを先に調査するほうが適切な場合があります。その設備を20時間使用するタイミングが、判断を左右します。

改善プロジェクトの実施を決める前に、次の4点を確認してください。

  • その損失は繰り返し発生しているか? 比較可能な期間や製品構成を確認し、繰り返し起きる不良のパターンと、例外的な単発の事象を区別します。
  • 提案する対策で、実際にどれだけの損失を防げるか? 材料費や外部サービス費の削減と、生産能力に生まれる余力を分けて考え、対策自体にかかる費用も織り込みます。
  • 不良の原因は何か? 作業者、品質担当者、関係する専門担当者とともに、満たせなかった要求事項を検証します。費用の大きさは調査すべき対象を示しますが、工具、仕入先、担当者のいずれかが原因であることを証明するものではありません。
  • 誰が対策を実行し、結果をどう確認するか? 責任者を定めて是正措置を実施し、同じ合否判定基準と原価計算ルールのもとで、比較可能な生産実績を検証します。

直行率、不良廃棄率、OEEは、問題を診断するための補助指標として併用します。FPYは手直しなしで最初から合格した割合を示し、不良廃棄率は最終的に廃棄となった生産数量の割合を示します。OEEは設備のロスを切り分けます。一方、COPQは不良によって生じた損失を金額で表します。これらの比率のいずれかに売上高や製造費用の総額を掛けても、実際の費用を追跡する代わりにはなりません。

品質不良に伴う作業をSkyPlannerで見える化する

費用を検証すれば、何が起きたかを把握できます。一方、生産側では、不良によって発生した作業の計画も必要です。手直しを正式な計画に入れず、別枠の緊急作業として扱っていると、その作業に必要なリソースが既存の受注品のスケジュールに反映されません。その結果、現場の管理者が納期上の競合を見つけ、手作業で調整しなければならなくなります。

SkyPlannerでは、生産実績の管理と有限能力スケジューリングを同じ環境で行えます。作業者は、作業時間の記録を確定する際に不良数量を入力できます。材料追跡を設定している場合は、不良品に使用した分も材料消費量に反映されるため、不良品の生産ですでに消費した在庫を次の作業で使えると見込んでしまう事態を防ぎやすくなります。

時間記録には生産作業ごとの作業実績が残り、計画と実績を比較するレポートで、予定所要時間との差を調べられます。是正のために行った作業は、関連する作業や記録の中で明確に識別できるようにしてください。そうすれば、その工数が元の受注品の総作業時間に埋もれず、追跡できます。COPQを計算する際は、これらの記録を、経理部門と合意した単価や、関連する品質記録・顧客対応記録と組み合わせます。

次に、承認済みの追加工程を、現実的な所要時間、使用可能なリソース、依存関係、優先順位とともに、関係者で共有する生産計画に組み込みます。SkyPlannerのスケジューリングAIであるArcturusが、設定された生産能力に照らして工程の割り当てを計算します。その結果として得られる作業順序と完了日は、ガントチャートで確認できます。

先ほどの手直しの例で、これからの計画について確認すべきことは具体的です。承認済みの是正工程を共用設備のどこに組み込めるのか、そして、すでにその設備を使う予定の受注品にどのような影響が出るのか、という点です。相互のつながりを反映した計画を確認すれば、新たな納期を約束する前に、何を優先すると何に影響するかを把握できます。優先順位や変更してはならない決定は担当者が管理し、スケジュールの計算はArcturusに任せられるため、影響を受けるリソースごとに作業順を組み直す必要がなくなります。

品質不良に伴う作業が、何度も生産計画に想定外の負荷をもたらしているなら、SkyPlannerをご検討ください。消費した材料と記録された作業をより明確に把握でき、復旧作業の負荷も見えやすくなるため、残りの受注案件の生産を調整するうえで、より確かな判断材料を得られます。SkyPlannerは、公開REST APIを通じてあらゆるERPやMESと連携できるため、既存の受注記録や品質記録を引き続き業務の流れの中で活用できます。

品質不良の事例を1件用意して、SkyPlannerのデモへ

最近の品質不良から、材料の損失を特定でき、作業が記録され、復旧工程が承認されている事例を選んでください。その詳細と、影響を受けた受注品の情報をSkyPlannerのデモにお持ちください。その事例を使って、追加作業を共有スケジュールにどう組み込み、納期への影響をどう見える化できるかを確認できます。

SkyPlannerのデモを予約して貴社の生産についてご相談いただくか、まずはデモデータでSkyPlannerを試すこともできます。内容を説明できる損失を1つ、責任を持って実行できる対策を1つ選び、これから必要な作業も含めた生産計画づくりから始めましょう。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlannerで、わかりやすい生産スケジュールを

データを連携し、最初の計画を確認。本番稼働するすべてのスケジュールは計画担当者が最終判断します。