あらゆるERPと連携

SkyPlannerのオープンREST APIは、社内ERPを含むERP、MES、運用システムと連携します。自社で構築することも、当社チームの支援を受けることもできます。

単体でも動作 — ERP連携はオプションで、必須ではありません。

連携プロジェクトを相談

以下のようなERP・MESシステムと連携

APS・スケジューリング

製造業の循環棚卸:在庫差異を解消する

帳簿上は在庫があるのに、生産が進まない。循環棚卸で在庫差異を解消し、修正した在庫情報を生産計画に反映しましょう。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新日 2026年10月26日 3 分で読めます
A gloved finger checks metal parts arranged beside an open bin during a selected physical inventory count.
この記事の内容
  1. 循環棚卸とは
  2. まず在庫差異と構内配送の問題を切り分ける
  3. 棚卸の対象と頻度を決める
  4. 差異の解消につなげる循環棚卸の手順
  5. 1. 棚卸の対象範囲を定める
  6. 2. 取引を区切る基準時点を確実に定める
  7. 3. 記録上の数量に左右されずに数える
  8. 4. 再計数と記録の照合で差異を確認する
  9. 5. 適切な修正を承認する
  10. 6. 誤差を生んだ業務プロセスを改善する
  11. 7. 修正後の使用可能在庫を生産スケジューリングに反映する
  12. 例:棚卸は完了しても、2件のオーダーに必要な部品は足りない
  13. 修正後の数量だけでなく、初回の計数結果を評価する
  14. SkyPlannerで、修正した在庫情報を実行可能な生産計画へ
  15. 資材状況の可視化がEskomaticにもたらした変化
  16. 繰り返し発生する差異を1つ選んで始める

ホーム » リソース » 製造業の循環棚卸:在庫差異を解消する

推定読書時間: 11 分

在庫記録では部品があることになっている。ところが作業者が容器を開けると、作業を完了するには数が足りない。倉庫担当者は部品を探し、購買担当者は代替品の確保に追われ、生産計画担当者は部品がある前提で組んだスケジュールを作り直すことになります。

循環棚卸は、こうした食い違いの早期発見に役立ちます。倉庫全体の棚卸を待つのではなく、対象を絞って定期的に現物を確認し、差異を調べ、その原因となった業務プロセスを是正します。メリットは、在庫報告の数字が整うだけではありません。記録上しか存在しない資材を当てにした生産判断を減らせます。

修正した情報は、生産計画にも反映する必要があります。SkyPlanner APSは、資材の利用可能状況を、その資材に依存する製造指図、設備、シフトと結び付けます。そのため、生産計画担当者は、すべての作業順序を手作業で組み直すことなく、資材不足に対応できます。

循環棚卸とは

循環棚卸とは、計画に沿って対象を順番に切り替えながら、在庫の一部を繰り返し実地で数える方法です。同一の品目、保管場所、在庫ステータス、時点をそろえて実数と記録上の数量を比較し、差異があれば原因を調査して解消します。

保管場所ごと、品目グループごと、あるいは品目と保管場所の組み合わせごとに、順番に確認する運用が考えられます。誤りが金額面や生産面で大きなリスクにつながる在庫は、より頻繁に確認します。目的は、継続的な検証を日常業務に定着させることです。不足で作業が止まってから、その都度探し回ることではありません。

関連する次の3つは、それぞれ役割が異なります。

  • 継続的な在庫記録は、入庫、払出し、消費などの取引に基づいて残高を随時更新します。システムが「そこにある」と認識している在庫を示すものです。
  • 循環棚卸は、年間を通じて記録の一部を選び、現物と照合します。取引の記録漏れや数量の誤りなどの差異を、取引から時間がたたず、経緯を追いやすいうちに発見するのに役立ちます。
  • 一斉実地棚卸は、定めた対象在庫のすべてを、特定の時点で確認します。一方、循環棚卸は、確認を一度に集中させず、小さな範囲に分けて実施します。

随時更新されている残高も、現物が存在する証拠にはなりません。また、循環棚卸を実施すれば、会社の財務報告や監査の要件を自動的に満たせるわけでもありません。これらの要件は、日常業務としての循環棚卸とは別に確認してください。

まず在庫差異と構内配送の問題を切り分ける

作業場所に部品がないからといって、在庫記録が間違っているとは限りません。記録どおりの倉庫の保管場所にあり、構内配送を待っているだけかもしれません。その場合の問題は、必要な資材を作業場所へ届ける仕組みにあり、在庫数量を減らす処理が必要なわけではありません。

数量を比較する前に、対象範囲がそろっているか確認してください。建屋全体の合計を、ライン脇の1つの保管容器の数量と直接比較することはできません。すでに作業へ払い出した在庫を、未払出しの倉庫在庫として再び数えてはいけません。また、品質確認による使用許可待ちの部品は、現物があっても生産には使えない場合があります。

条件をそろえて比較しても差異がある場合は、その原因となり得る取引や現物の扱いをたどります。

考えられる原因確認すること
入庫数量の計上誤り納品内容、受入時の確認結果、入庫記録を照合する。
箱数と個数の取り違え購買・保管・消費それぞれの単位と、単位間の換算を確認する。
資材を移動したのに保管場所の記録を更新していない移動元、移動先、移動の取引記録を確認する。
実際の使用量と記録上の消費量が異なる払出し方法、部品表の所要数量、廃棄、返却を確認する。
類似部品や改訂の異なる部品が混在しているラベル、識別情報、容器の実際の中身を確認する。
破損品や保留在庫を使用可能として扱っている現物の状態と、記録上の利用可能状況を照合する。

確認結果によって、必要な対策は異なります。受入管理を徹底しても消費数量の誤りは直りませんし、在庫を余分に購入しても移動記録の漏れは解消しません。

棚卸の対象と頻度を決める

まずは、在庫差異が実際に支障を起こしている生産エリアや資材グループのうち、無理なく管理できる範囲から始めましょう。責任者を決め、実施時間を確保し、発見した問題を解決するまでの手順を明確にします。調査する時間もないほど長い棚卸リストを作るより、小さな範囲でも差異を最後まで解決する運用の方が役立ちます。

棚卸の頻度は、複数の指標を使って決めます。消費金額を基準にした在庫のABC分析は、金額面で重点的に管理すべき対象を絞るのに役立ちます。取引頻度や過去の差異からは、記録が短期間で実態とずれやすい対象が分かります。さらに、生産への影響も考慮します。安価な購入部品1つが、高額な組立品の生産を止めることもあるためです。

A品目はすべて毎月、C品目はすべて毎年といった一律のルールを、そのまま適用してはいけません。自社のリスクと、計数・調査に使える時間に合わせて間隔を決めてください。誤りが繰り返される対象は重点的に確認し、原因への対策によって記録の信頼性が高まったかを見直します。

保管場所単位の棚卸なら、近くの在庫をまとめて確認でき、現物を数える作業がしやすくなります。品目単位の棚卸は、複数の場所にある同じ部品を追跡するのに役立ちます。どちらを選ぶ場合も、確認しづらい場所、動きの少ない品目、予想外に空だった容器が対象から漏れないよう、確認範囲を定めてください。記録上は残高があるのに容器が空なら、それ自体が調査すべき事実であり、棚卸を省く理由にはなりません。

差異の解消につなげる循環棚卸の手順

1. 棚卸の対象範囲を定める

品目と保管場所に加え、自社で使っているロット、改訂、在庫ステータスなどの区分を特定します。在庫管理単位を明記し、未開封の包装や使いかけの容器をどう数えるかも決めておきます。別の人が同じ条件で数え直せるよう、対象の境界を明確にしてください。

対象範囲内で予定外の在庫が見つかった場合も、確認に含めます。リストに印刷された品目だけを調べていると、未記録の入庫や、誤った場所に置かれた部品を見落とすおそれがあります。

2. 取引を区切る基準時点を確実に定める

実地で数えた数量とシステムの残高は、同じ時点のものでなければなりません。時点が違うと、計数中のピッキングが正しく記録されていても、不足があるように見えてしまいます。

小規模な試行なら、対象場所での在庫移動を短時間止めるのが最も簡単な管理方法かもしれません。作業を続ける必要がある場合は、棚卸中の入庫、ピッキング、移動を記録し、それぞれの発生時点を照合できる手順を定めます。資材を扱う人には、何が棚卸の対象で、誰が例外を承認するのかを伝えてください。管理するのは選定した範囲であり、倉庫全体を閉鎖する必要があるとは限りません。

3. 記録上の数量に左右されずに数える

実務上可能であれば、最初の計数時には担当者に記録上の残高を見せないようにします。画面の数字が正しいかを確認してもらうのではなく、実際に数えた数量を報告してもらいます。

容器のラベルだけでなく、実際の中身を確認します。計数した時刻、単位、保管場所、担当者を記録し、識別が不明確なものや包装の破損など、対応が必要な点も残してください。重量などから間接的に数量を求める場合は、その方法が正しく、対象の資材に適しているかを確認します。

4. 再計数と記録の照合で差異を確認する

残高を変更する前に、品目、単位、保管場所、比較の基準時点を確認します。大きな差異や説明のつかない差異は、別の人に独立して数え直してもらいます。そのうえで、棚卸の前後に行われた入庫、移動、生産への払出し、消費、返却、廃棄を調べます。

期待した数字が出るまで、何度も数え直してはいけません。最初の実測結果と、その後に得た証拠を残します。計数時刻より後の正当な在庫移動によって数量差を説明できる場合は、その移動を照合して整合を取り、同じ差異に対して余分な在庫調整を計上しないようにします。

5. 適切な修正を承認する

計数結果の記録と、在庫変更の承認は分けて扱います。品目の価値と生産リスクに応じて、承認の責任者と、上位者へ判断を求める基準を定めてください。

確定した数量、差異、理由、承認者、裏付けとなる証拠を記録します。修正するのは、実際に起きた誤りです。保管場所や在庫ステータスの誤りであれば、数量調整とは別の取引処理が必要になることがあります。調整を追加する前に、元となる取引の記録漏れがないか確認してください。後から入庫や消費が計上され、同じ差異を二重に修正してしまうのを防ぎます。

確認された不足が進行中の作業に影響する場合は、生産計画担当者へ速やかに知らせてください。根本原因の調査に時間がかかっても、その間、納期へのリスクを伝えないままにしてはいけません。

6. 誤差を生んだ業務プロセスを改善する

承認された在庫調整で、現在の記録は修正できます。しかし、それだけでは誤差が生じた理由は分からず、再発も防げません。

是正措置には担当者と期限を設定します。たとえば、入荷時の確認方法の見直し、単位換算の修正、不良廃棄が発生した工程での記録、未使用部品を倉庫へ戻す手順の改善などが考えられます。改善後のプロセスで実際に業務を行ったら、対象在庫を再確認してください。判断すべきなのは、在庫調整が正常に登録されたかではなく、差異が再発していないかです。

7. 修正後の使用可能在庫を生産スケジューリングに反映する

承認された修正が、生産スケジュールに資材情報を供給するシステムへ確実に反映されていることを確認します。そのうえで、その資材を使うオーダーとその優先順位、他の作業と共有するリソースを再検討します。

在庫管理チームによって、計画の前提となる数量はより正確になりました。それでも生産計画担当者には、別の問いへの答えが必要です。今の在庫で何を、どの順序で作れるのか。そして、納期にどのような影響が出るのか。

例:棚卸は完了しても、2件のオーダーに必要な部品は足りない

あるメーカーで、倉庫に使用可能なハウジングが120個あると記録されている場面を考えてみましょう。今後着手する2件のオーダーには、それぞれ60個が必要です。所定の管理手順に従って実数を確認すると90個しかなく、最初の計数とは独立して行った再計数でも同じ数量が確認されました。

担当チームは、ハウジングが別の保管場所に移動していないか、すでに払い出されていないかを確認します。調査の結果、以前の取り扱い時に破損したハウジングが、廃棄処理を記録せずに取り除かれていたことが差異の原因だと分かりました。承認された修正により使用可能在庫を90個とし、今後取り除く際には誰が記録するのかも明確にします。

これで当面の数量差異は解消します。しかし、両方のオーダーを満たせるわけではありません。必要数の合計は依然として120個です。購買担当者は不足分の調達を確認し、生産計画担当者はどちらの納品を優先するか判断します。

影響を受けるオーダーの日程を変更すると、資材リスト以外にも影響が及びます。そのオーダーの機械加工・組立工程は、これらのハウジングを使わない作業も含め、他のオーダーとリソースを共有しています。そのため、在庫数量の修正によって複数の作業順序や納期が変わることがあります。こうした場面では、在庫情報を共通の生産スケジュールと連携させることで、手作業による計画調整を減らせます。

修正後の数量だけでなく、初回の計数結果を評価する

在庫精度を評価するには、定義を明確にする必要があります。実務で使える記録一致率は、初回の計数で記録と一致した品目・保管場所の組み合わせの件数を、確認した全件数で割り、百分率で表します。「一致」が完全一致を指すのか、合意した許容差内を指すのかを明示し、その定義を一貫して使ってください。

精度の評価には、在庫調整前の計数結果を使ってください。すべての差異を修正した後の報告だけでは、実数確認で明らかになった本来の状態が見えなくなります。

一致率は、未解決の差異、繰り返し発生する原因、棚卸で確認した範囲、資材に起因する生産中断と併せて確認します。全体の数値が高くても、重要部品1点の不足が隠れていることがあります。また、問題のある品目を意図的に重点確認するリスクベースの棚卸では、工場全体の在庫記録の精度を偏りなく推定することはできません。

見るべきなのは、単に計数回数が増えたかではなく、同じ誤りの再発や、予定していた作業開始時の想定外の問題が減っているかです。

SkyPlannerで、修正した在庫情報を実行可能な生産計画へ

使用可能な資材を把握できていても、オーダーとの照合や設備ごとの作業順序の組み直しに時間がかかりすぎるなら、SkyPlannerをご検討ください。これらの判断を1つの生産スケジュールにまとめられます。

製品に紐づけた資材は、その製品のオーダー明細にも引き継がれます。在庫情報は、システム連携またはSkyPlannerのWarehouseモジュールで維持・更新できます。資材の利用可能状況を考慮するスケジューリングを有効にすると、SkyPlannerのスケジューリングAIであるArcturusが、使用可能な資材に加え、リソースの能力、シフト、工程間の依存関係、設定したルールを考慮します。

承認された在庫修正が計画データに反映されたら、スケジュールを再計算し、ガントチャートで結果を確認します。リソースごとの作業順序を個別に編集せずに、影響を受ける作業が他のオーダーとの兼ね合いでどう配置されるかを確認できます。優先順位は担当者が決め、スケジュールの計算はArcturusが行います。これにより、手作業の調整を減らし、対応が必要な納期をより早く把握できます。

SkyPlannerは、公開REST APIを通じてあらゆるERPやMESと連携できます。現場で運用している入荷、実数確認、差異調整の承認フローはそのままに、そこで維持・更新する資材情報を詳細な生産スケジューリングへつなげてください。実数確認で現物の状態を確かめ、SkyPlannerで生産への影響に対応できます。

資材状況の可視化がEskomaticにもたらした変化

受託機械加工を手がけるEskomaticは以前、旧来の生産管理環境で、作業順序の管理を主に手作業に頼っていました。資材状況を十分に把握できず、作業の開始予定が間近に迫ってから不足が判明することがありました。

既存のERPとSkyPlannerを連携させたことで、作業順序が可視化され、負荷を自動でスケジューリングできるようになり、資材状況も把握しやすくなりました。Eskomaticの報告によると、資材不足による生産停止が減り、納期設定の精度も向上しています。この事例は、直前になって生産計画担当者が影響の整理に追われるのではなく、資材情報とスケジューリングをつなぐことの価値を示しています。

繰り返し発生する差異を1つ選んで始める

探し回ることや、想定外の不足が繰り返し起きている部品を1つ選びます。実数確認の対象範囲を定め、確認中の在庫移動を管理し、差異を調査して是正措置の担当者を決めてください。その後、承認された使用可能在庫の変更が、その部品を必要とするオーダーに反映されるまで確認します。

最後のステップを実際に確認するには、SkyPlannerのデモをご予約ください。数量に疑義のある資材の在庫情報を1件、その部品を使うオーダー、各オーダーが他の作業と共有する設備の情報をご用意ください。修正した資材情報を、現場で使える生産計画へどうつなげるかという、具体的なテーマでご相談いただけます。まずご自身で操作してみたい場合は、デモデータでSkyPlannerをお試しください。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlannerで、わかりやすい生産スケジュールを

データを連携し、最初の計画を確認。本番稼働するすべてのスケジュールは計画担当者が最終判断します。