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製造業のCONWIP:次に着手する仕事を管理する

現場のオーダーが多すぎませんか?CONWIPで投入量を抑え、準備の整った次のオーダーを選び、実行可能な生産スケジュールに沿って着手しましょう。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新日 2026年10月25日 2 分で読めます
A blue authorization card returns to waiting batches outside a bounded machining and inspection flow
この記事の内容
  1. 製造業におけるCONWIPとは?
  2. 1つの投入許可がループを巡る流れ
  3. 管理目的に合った対象範囲と計数単位を選ぶ
  4. 1ロット当たりの所要工数は一定ではない
  5. CONWIP・かんばん方式・ドラムバッファロープは管理対象が異なる
  6. トークンが戻っても、計画上の判断は残る
  7. SkyPlannerで投入の判断を工順全体の計画につなげる
  8. 着手準備の見える化がEskomaticにもたらした変化
  9. 初期の上限を決め、実際の流れを見ながら見直す
  10. 次の投入には、確かな根拠を

ホーム » リソース » 製造業のCONWIP:次に着手する仕事を管理する

推定読書時間: 10 分

最初の設備が空いたので、次のオーダーに着手する。しかし、後工程の仕上げには、すでに処理待ちがたまっています。午後には待機する部品が増え、投入済みの資材も増えたのに、出荷すべきオーダーはほとんど進んでいません。

この問題をそれ以上悪化させないための方法がCONWIPです。対象として定めた生産フローに投入できる仕事量を制限します。投入許可を受けたロットが管理ループから出ると、その許可を別のロットに使えるようになります。空きができるまでは、仕事をループの外で待機させます。

このルールにより、必要以上に早い着手を抑えられます。ただし、待機中のどのオーダーに次の投入を許可するかを決めたり、その工順を混雑したリソースの予定に収めたりするものではありません。投入はCONWIPで管理し、その選択を支える一連の生産スケジュールはSkyPlanner APSで維持します。こうすることで、あれもこれもと対応を迫られる仕掛品が減り、設備ごとの待ち行列を人手で調整する手間も減らせます。

製造業におけるCONWIPとは?

CONWIPはConstant Work in Processの略で、Constant Work in Progressとも呼ばれます。リソースごとに補充指示を出すのではなく、定めたループ内で投入を許可する仕事の総量を制限する、プル型の生産管理手法です。

投入の許可には、枚数を限定したカードや電子トークンを使います。各トークンは、あらかじめ定義した生産ロット1つなど、取り決めた量の仕事に対応します。ロットがループ内を流れている間はそのロットに割り当てたままにし、定めた退出条件を満たした時点で、再び使えるようにします。

品目別の補充カードとは異なり、CONWIPのトークンは、ループを一巡するたびに別の製品へ割り当てられます。「何を作るべきか」は、優先順位を付けた未投入オーダーの一覧から判断します。一方、利用可能なトークンが答えるのは、「もう1つ投入してよいか」です。

「一定」なのは、投入を許可する量の上限です。常に仕掛量をその上限まで増やしておく必要がある、という意味ではありません。需要が少ないときや、着手できる仕事がないときには、実際の仕掛量が上限を下回っていても構いません。トークンを使い切るためだけに不適切なオーダーを投入しては、本来の目的を損ないます。

1つの投入許可がループを巡る流れ

運用ルールは、シフト開始時にも説明できるほどシンプルです。

1. 未投入の仕事はループの外で待機させます。 まだ投入していないオーダーやロットの一覧を管理します。計画上でオーダーを確認できることと、実際に着手していることは別です。

2. 利用可能なトークンを、準備の整った仕事に割り当てます。 投入責任者は、取り決めた優先順位と準備状況の確認に基づき、未投入の仕事から次に投入するものを選びます。

3. その仕事に投入許可を割り当てたままにします。 対象範囲内での加工中、搬送中、待機中は、いずれも同じ許可を使用し続けます。機械加工から仕上げに移っても、許可が空くわけではありません。

4. 定めた退出条件を満たしたら、トークンを返却します。 ロットが退出条件を満たしたことを確認し、管理上の状態と実態を照合して、投入許可を再び使える状態にします。

すべてのトークンが割り当て済みなら、次のロットは待たなければなりません。最初の工程が空いているからといって、投入許可を追加してよいわけではありません。

退出条件は明確に定めてください。例えば、最終合格判定を終点とするループでは、合格後にトークンを返却します。一方、完成品在庫まで含むループでは、後工程で使うために製品が在庫から引き取られた時点で初めて返却する設計もあります。この2つでは、管理する量の範囲が異なります。「製造が終わった」と「製品がループから出た」は、同じ出来事ではありません。

管理目的に合った対象範囲と計数単位を選ぶ

製品が変わっても共通の生産フローにまとめられる一方、製品ごとに補充ループを維持するのは煩雑になる場合、CONWIPは検討に値します。受注生産にも適した考え方です。次のトークンは、前と同じ製品の在庫補充ではなく、別の顧客仕様の製品に割り当てられます。

まずは、投入と退出を現場で確認できる製品群や生産エリアを選びます。管理したい待ち行列を対象範囲に含め、問題のある工程の直前で区切らないことが重要です。過負荷の仕上げエリアに部品が入る前に、機械加工側ですべてのトークンを返却してしまうと、仕上げにたまる仕掛品の量は制限できません。

工順が混在する場合は、さらに注意が必要です。ロットが一部の工程を通らない、外注先へ出る、組立に合流するといった場合に、投入許可をどう扱うかを定めてください。完了地点が大きく異なる、互いに関係のない工順を工場全体で1つのカウンターにまとめても、有効な管理になるとは限りません。対象範囲を広げる前に、ひとまとまりのフローで試行しましょう。

1ロット当たりの所要工数は一定ではない

トークンが何を表すのかを明文化します。1ロットを表すなら、許容するロット数量または数量範囲と、ロットを分割した場合の扱いを定めてください。そうしないと、カードの枚数は同じでも、ロットが大きくなっただけで実際の仕事量が大幅に増え、その増加が見えなくなるおそれがあります。

ルールを統一しても、製品が違えば必要な処理時間は異なります。短時間の機械加工で済むロットも、専門的な仕上げに長時間かかるロットも、それぞれトークンを1つ使うとしても、負荷が同じになるわけではありません。特に製品構成が変わるときは、トークン数と併せて、共用リソースに残っている仕事の負荷を追跡してください。

また、仕掛総量の上限を設けても、各リソースの待ち行列に上限が設けられるわけではありません。負荷の高い工程の前に仕事が集中する一方、別のリソースでは仕事が不足することもあります。置き場の容量や安全上の制限は別途明確にし、滞留が続く場合は原因を調べてください。ループを設ければ、すべてのリソースの負荷が自然に均衡するとは考えないことが大切です。

CONWIP・かんばん方式・ドラムバッファロープは管理対象が異なる

これらの手法は併用できますが、それぞれの指示が答える問いは異なります。

手法主な管理の仕組み押さえておきたい違い
CONWIP定めたループ全体で投入を許可する仕事量を制限し、返却された許可を、未投入の仕事から選んだものに割り当てる。次に投入する製品は、直前にループを出た製品と異なっていてもよい。
品目別の生産かんばん消費を知らせる指示に応じて、指定された品目を所定の数量だけ補充する。何を補充すべきかが指示に示される。
ドラムバッファロープ制約工程のスケジュールと、そこへの供給を守るために必要なバッファに合わせて投入時期を決める。制約工程が必要とする供給に基づいて投入時期が決まる。

管理したいフローに合わせて手法を選びましょう。在庫から繰り返し払い出す部品には、品目別のかんばん方式が適している場合があります。顧客ごとに内容が変わるオーダー群には、投入許可を使い回せるCONWIPが役立つ可能性があります。明確な制約工程に左右されるフローには、ドラムバッファロープが適している場合があります。

どの方式の指示も、それ自体で生産能力を生み出すものではありません。投入を許可した仕事が通る各工程について、実行可能な作業順序を組む必要は依然としてあります。

トークンが戻っても、計画上の判断は残る

機械加工への投入から最終検査までをCONWIPのループとする加工工場を想像してください。あるロットが検査に合格してループを出たため、そのトークンが使えるようになりました。ループの外では、準備の整った顧客向けロットが2つ待っています。

一方は機械加工が短時間で済むものの、その後の研磨に長時間かかります。もう一方は機械加工により長くかかりますが、研磨は不要です。研磨のリソースにはすでに多くの処理待ちがある一方、機械加工には今日の余力があります。

どちらのロットも、トークンのルール上は投入できます。しかし、すでに抱えている生産負荷への影響は同じではありません。

最初の工程が短いという理由で研磨負荷の大きいロットを投入すると、すでに納期遅延を招いている待ち行列をさらに増やしかねません。もう一方を選べば、空いている生産能力をより有効に使える可能性があります。ただし、そのために、より重要な顧客との納期約束を犠牲にしてはなりません。計画担当者は、最初に空いた設備や最小のロットだけでなく、残りの工順、納期、同じリソースを使う他の仕事を併せて確認する必要があります。

こうした役割の違いを理解することで、CONWIPは単なる制限ではなく、役立つ仕組みになります。トークンは投入を許可します。準備状況の確認は、その仕事を進められるかどうかを判断するためのものです。そして、工程間のつながりを反映したスケジュールは、各工程をいつ実行できるか、その仕事の完了が他の納期約束にどう影響するかを示します。

SkyPlannerで投入の判断を工順全体の計画につなげる

SkyPlanner APSは、こうした受注全体にわたるスケジュール計算を担います。工程、所要時間、使用可能なリソース、シフト、優先順位を設定すると、SkyPlannerのスケジューリング用人工知能であるArcturusが、設定された生産能力と依存関係に基づいて各工程を配置します。資材を考慮するスケジューリングを有効にしている場合は、資材の利用可能状況も計画に反映されます。

先ほどの架空の工場でいえば、投入待ちロットの機械加工・研磨工程を、それらのリソースにすでに割り当てられた作業と併せて検討することになります。ガントチャートには、一連の工程のつながりと完了見込みが表示されます。優先順位や生産能力が変わったときも、設備ごとの作業順を個別に修正する代わりに、Arcturusで計画を再計算できます。

優先順位は担当者が決め、相互に関係する作業の割り当てはAIが処理します。計画作成の手間が減り、投入判断が納期にどう影響するかも把握しやすくなります。トークンが戻ってきたら、次に投入するのに適したオーダーを検討します。設備の近くにある作業を何でも始めてよい、という合図ではありません。

SkyPlannerでは、着手可能日を設定することで、オーダー明細が所定の日付より前にスケジュールされないようにすることもできます。これはスケジューリング上の制約であり、循環するCONWIPトークンでも、ロットを実際に投入する行為でもありません。導入時には、誰が投入を承認するのか、トークンをどこに記録するのか、その判断をどう生産計画に反映するのかを明確にしてください。

SkyPlannerは、公開REST APIを通じて、あらゆるERPやMESと連携できます。現在うまく機能している受注管理・製造実行システムはそのまま活用し、それぞれの情報を、有限能力を考慮した共通のスケジュールにつなげられます。部門ごとに別々の計画を維持する必要がなくなり、次に何を流すべきかを判断しやすくなります。

着手準備の見える化がEskomaticにもたらした変化

機械加工を受託するEskomaticでは、以前は作業順の管理を主に手作業で行っていました。資材の状況を十分に把握できず、着手予定日前に欠品を予測することが難しい状態でした。

既存のERPとSkyPlannerを連携させたことで、同社はガントチャートによる作業順の可視化と負荷を考慮した自動スケジューリングを実現し、資材の状況も把握しやすくなりました。Eskomaticによると、納期設定の精度が向上し、資材不足による生産停止も減少しています。

生産への投入を管理する工場にとって、こうした仕組みは投入ルールの徹底を支えるものです。回避できる中断を減らし、完了時期を約束するための根拠をより明確にできます。

初期の上限を決め、実際の流れを見ながら見直す

どのCONWIPループにも通用する、効率的なカード枚数はありません。ループ内に必要な仕掛量は、工順、稼働能力、ばらつき、ロットの運用方針、品種構成によって変わります。短時間で繰り返し生産するロットに適した上限でも、長時間を要する個別仕様の仕事が入ると、同じように機能するとは限りません。

まず、実際の生産の流れを確認しましょう。設定しようとしている管理範囲について、現在の仕掛量、ロットサイズ、投入から退出までの時間、完成数量、納期実績を測定します。手待ちのリソースには着手できる仕事が届いていないのか、それとも過負荷の工程に処理能力を超える仕事が流れ込んでいるのかを調べてください。その観察結果を基に、ループを運用する担当者と初期の上限を決めます。

試験運用中は、次の3点を併せて確認します。

  • 流れ:着手件数だけでなく、完了した仕事の量と、投入から退出までの時間を確認します。
  • 負荷:どこで作業が待っているか、どれだけ滞留しているか、重要なリソースを取り合う作業の残り所要時間はどれだけかを確認します。
  • 納期対応:必要なオーダーが期限内に完了しているかを、間に合わせるために必要だった緊急対応も含めて確認します。

待ち行列が過大なままなら、完成数量と納期実績を確認しながら、投入承認枠を計画的に減らす試験を行います。完成数量が減った場合は、上限によって重要なリソースに仕事が届かなくなっていないか、資材が不足していないか、作業順が不適切でないかを調べてください。問題が起きるたびにトークンを増やすと、原因を隠したまま、元の過剰な仕掛量に戻ってしまうおそれがあります。

ループ内のロットが手直し待ちや品質上の保留になっているだけで、トークンを返却してはいけません。廃棄、一部完了、ロット分割が発生した際に、仕掛量とトークンの整合をどう取るかを定めてください。緊急オーダーも、有効な投入承認枠を使うか、明示的に承認・記録された例外として扱う必要があります。記録にないカードを追加してはいけません。トークン紛失時の対応責任者を決め、補充する前に枚数を照合してください。

次の投入には、確かな根拠を

有意義なCONWIPの試験運用には、目に見える管理範囲、実態に合った計数単位、明確なトークン返却条件、そして投入待ちの仕事から着手準備の整ったものを選ぶ責任者が必要です。成功とは、ループを常に満杯にしておくことではありません。現場の不要な仕掛を減らしながら、必要なオーダーを着実に完了させることです。

こうした判断を支えるために工順と生産能力を踏まえた計画を維持する作業が、担当者の一日の大半を占めているなら、SkyPlannerをご検討ください。投入ルールで無秩序な着手を防ぎ、SkyPlannerで、品種構成や優先順位が変わっても共通のスケジュールを維持しやすくします。

SkyPlannerのデモを予約する際は、投入待ちのオーダーを1件選び、その残りの工順、想定するループ内の現在の仕掛、投入ルールをご用意ください。その状況を基に、次に何を投入すべきか、納期にどう影響するかを検討しましょう。まずスケジュール画面を操作してみたい方は、デモデータでSkyPlannerをお試しください。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlannerで、わかりやすい生産スケジュールを

データを連携し、最初の計画を確認。本番稼働するすべてのスケジュールは計画担当者が最終判断します。