Sage 200で設備・人員の能力を考慮した生産スケジューリングは可能か?概略能力計画とSkyPlanner APSの比較
Sage 200の基本機能には、設備や人員の能力を超えないように計画を組む生産スケジューラはありません。生産能力計画を担うのは、現在は廃止された旧Sage 200 Manufacturingモジュール、またはSicon ManufacturingやCim200などの製造向けアドオンです。Siconは、人員と機械の負荷を稼働可能な能力と対比して表示します。Cim200は製造指図の各工程をタイムライン上に配置し、リソースの競合を表示します。どちらも、過負荷を解消するのは計画担当者です。あらゆる制約を単一のエンジンで考慮し、実際の能力に収まる生産スケジューリングを必要とする工場は、Sage 200と併用してSkyPlanner APSを運用しています。
Sage 200で生産能力計画を立てる手順
1. 利用中の製造向け機能を確認する
Sage 200 Professionalの基本機能は、在庫、受注、発注、財務をカバーします。生産管理は別のモジュールやアドオンが担っており、その構成は2025年に変わりました。
Sageのヘルプには明記されています。”The Sage 200 Manufacturing module is now retired, from the Sage 200 Professional 2025 R2 release.”(この製造モジュールは、当該リリースから廃止されました。)(出典) SageのパートナーであるPKF Smith Cooperも、このモジュールについて”was withdrawn from sale effective 1st November 2020″(同日付で販売を終了した)と報告しています。Sageは、すべてのサポートの終了日を2025年12月31日と定めました。(出典)
同社は、Sage 200と完全に連携する製造向けソリューションとして、Cim200とSicon Manufacturingの二つを挙げています。
2. リソースと所要時間
旧モジュールでは、Cost Headings、Resource Groups、Resourcesに加え、Labour Register、Machine Register、Operations Registerを使用します。Sageは次のように説明しています。”Resource groups take values from cost headings. Resources take values from the resource groups.”(リソースグループは原価区分から値を引き継ぎ、リソースはリソースグループから値を引き継ぎます。)
Siconは、リソースごとに人員と機械の稼働可能時間を設定します。その際は”taking into account shutdown, maintenance periods and holiday.”(操業停止、保守期間、休暇を考慮します。)(出典) Sicon MRPは、”the Sage 200 BOM cost items to estimate your labour and machine times.”(同製品のBOM原価項目を使って工数と機械時間を見積もります。)(出典)
3. 計画立案:MPSとMRP
旧モジュールでは、Make to Stock、Sales Forecasts、Master Production Schedule、Material Requirements Planningという四つの計画モジュールが相互にデータを受け渡します。MRPは、”recommends purchase orders or works orders be created to fulfil the demand.”(需要を満たすために発注書や製造指図の作成を推奨します。)
MPSの段階では、”the material and capacity requirements”(資材と生産能力の所要量)を算出します。Sageは、”Planning periods are normally a month or a four week period.”(計画期間は通常、一か月または四週間です。)と説明しています。(出典)
4. 製造指図と工程
製造指図は、手動で作成するほか、受注、MRPの推奨、Trial Kitting、または見積もりの変換から作成できます。旧モジュールのWorks Ordersは、”works alongside the Operation Times module”(Operation Timesモジュールと連携して動作します)。そこで、”enter job details retrospectively or in real time.”(作業の詳細を事後またはリアルタイムで入力します。)(出典)
Sicon Works Order Processingでは、Shop Floor Data Captureアプリを使って、”logon to works order operations to record actual time spent.”(製造指図の工程にログオンし、実際にかかった時間を記録できます。)(出典)
5. 生産能力の表示
Sage 200で生産能力を確認する方法は、利用するモジュールやアドオンによって異なります。
| モジュール/アドオン | 生産能力に関する機能 | 仕組み |
|---|---|---|
| 旧Sage 200 Manufacturing | MPSによる能力所要量の算出 | 通常は一か月または四週間の計画期間ごとに所要量を算出 |
| Sicon MRP | 概略能力計画 | “a daily/weekly schedule of labour and machine capacity based on existing live works orders”(現在有効な製造指図に基づく、人員と機械の能力の日次・週次スケジュール) |
| Cim200 | Graphical Scheduler | 工順の所要時間とカレンダーに基づいて工程をタイムラインに配置し、リソースの競合を強調表示 |
Siconのグラフィカル表示には、”with a drag and drop interface”(ドラッグ&ドロップのインターフェース)が備わっています。ユーザーは、”by moving works orders and sub-assemblies in real-time.”(製造指図やサブアセンブリをリアルタイムで移動することで)計画を調整できます。(出典) Cim200のスケジューラは、工順の所要時間と”the production and operation calendars”(生産カレンダーおよび工程カレンダー)を使用し、工程の順序に反するスケジュールは組みません。(出典)
6. 過負荷の解消
最後の調整を担うのは計画担当者です。Siconの計画は、”shows labour and machine availability with functionality to amend works order dates to smooth overloads.”(人員と機械の稼働可能時間を表示し、製造指図の日付を変更して過負荷を平準化する機能を備えています。)(出典) Cim200では、工程の赤色表示は”there is a resource clash”(リソースの競合がある)ことを意味します。計画担当者が作業をドラッグして開始時刻を変更すると、後続の関連工程もそれに追従します。(出典) どちらの場合も、どの作業を動かすかを決めるのは人です。
計画担当者に残る仕事
- 基本機能に能力制約を考慮するスケジューラはありません。Sage 200の基本機能には生産スケジューリングがありません。Sage 200 APIリファレンス(2025.02)は在庫、販売、購買、財務を対象としており、製造指図や工程のリソースは含まれていません。
- 従来のモジュールは廃止されています。Sage 200 Professional 2025 R2からは使用できず、2025年12月31日を過ぎるとSageのサポートも受けられません。
- 一定の期間単位で計画します。旧MPSは月単位または四週間単位で計画を立てます。Siconの概略能力表示は、日単位または週単位です。
- 過負荷の解消は手作業です。Sicon自身が用いている表現は、”amend works order dates to smooth overloads.”(製造指図の日付を変更して過負荷を平準化する)です。Cim200はリソースの競合を赤で表示します。チャートが問題を示し、計画担当者がそれを解消します。
- 所要時間はBOMデータからの見積もりです。Sicon MRPは、Sage 200のBOM原価項目から工数と機械時間を見積もります。そのため、計画の精度はこれらの値の精度に左右されます。
- スケジューリングには別途アドオンが必要です。Cim200は、独立した”monthly subscription basis.”(月額サブスクリプション方式)でライセンスが提供されます。(出典)
- 変更のたびに負荷の再調整が必要です。特急オーダーが入ると、計画担当者は製造指図を再び移動します。
Sage 200側の計画機能で十分なケース
次のような場合は、Siconの概略能力計画やCim200のスケジューラで対応できます。
- 重点管理するリソースが少数で、製造現場のほかのリソースには余力がある。
- 製造指図ごとの作業期間が長く、リードタイムにも余裕がある。
- 計画は週単位で立てており、日ごと・週ごとの負荷を判断できればよい。
- 作業順序が単純で、現場の監督者が機械の前で決められる。
- 段取り替え、工具の共用、資材の入荷によって作業順序が変わらない。
能力制約を考慮する生産スケジューラが必要な場合
次のうち複数が当てはまるなら、アドオンの計画機能では対応しきれなくなっています。
- 過負荷を平準化するため、計画担当者が毎週何時間もかけて製造指図を移動している。
- 週単位の負荷には問題がないように見えても、納期が遅れる。
- 直前に生産した製品によって段取り替え時間が変わる。
- 機械だけでなく、人員、シフト、欠勤も同じように計画の制約になる。
- プレス型、成形型、治具を複数の機械で共用している。
- 資材の確保状況によって、どの製造指図に着手できるかが決まる。
- 特急オーダーや故障のため、週に何度も計画を立て直している。
- 廃止されたSage 200 Manufacturingモジュールからの移行に合わせて、スケジューリングの課題も解決したい。
選定時に確認するポイント
- 工程単位のスケジューリング。すべての工程に開始時刻、終了時刻、リソースを割り当てられること。
- すべてのリソースの能力制約を同時に考慮。機械、人員、工具をまとめて計画できること。
- 過負荷を自動で解消。チャートを見て手動で負荷を再調整する方式ではないこと。
- 段取り時間マトリクス。生産順序によって変わり、切り替えの方向によっても異なる段取り替え時間に対応できること。
- 工具を能力に限りのある共用リソースとして管理。複数の作業者を同時に必要とする作業にも対応できること。
- 資材の確保状況を考慮したスケジューリング。在庫と入荷予定の発注を確認できること。
- Sage 200とのデータ連携方法が明確。Sage 200 REST APIは製品、在庫、受発注をカバーします。製造指図は製造向けアドオン側にあるため、各ベンダーに、製造指図の読み取りと日付の書き戻しをどう行うか確認してください。
選択肢は三つのグループに分かれます。
- Sage 200のアドオンによる計画。負荷や工程の競合を表示し、計画担当者が解消します。
- 大企業向けAPSスイート。導入プロジェクトを通じて連携を構築し、専任の計画チームが運用します。
- 製造現場での実行まで支援するクラウドAPS。SkyPlannerはこのグループに属し、Sage 200と併用してすべてのリソースのスケジュールを自動で組みます。生産状況の変化に応じて計画を立て直し、作業者の手元にスケジュールを届けます。
SkyPlannerが担う役割
SkyPlanner APSは、ここまでに挙げた不足をすべて補います。すべてのリソースの能力に上限を設け、Arcturus AIエンジンが製造指図の全工程を数秒でスケジューリングします。機械、人員、工具、資材を単一のエンジンでまとめて計画でき、追加モジュールのライセンスは不要です。作業の優先度、完了日、顧客の優先度に基づいて作業順序を決めます。
段取り時間マトリクスには、製品の組み合わせごとに双方向の段取り替え時間を登録します。エンジンは段取り時間が最小になる順序を選びます。工具は能力に限りのある共用リソースとして扱い、複数の作業者を同時に必要とする作業にも対応します。機械や人員が使えない場合は、あらかじめ設定した代替リソースをエンジンが使用します。
資材の入荷を考慮したスケジューリングでは、現在の在庫と入荷予定の発注情報を基に、将来の在庫をシミュレーションします。発注済みの資材は納入日から使用可能とみなし、資材がそろう時点以降にのみ作業を計画します。
Autopilotは、生産状況が変わると、設定した固定条件と優先順位を守りながら自動でスケジュールを組み直します。計画担当者はガントチャート上で作業を調整し、現場の作業者はMobile Confirmationsを使ってスマートフォンやタブレットから作業実績を記録します。
過負荷の平準化やスケジュールの重複解消に、毎週何時間も手作業で費やしているなら、SkyPlannerをお選びください。
段取り替え、共用工具、複数の作業者が必要な作業によって、次に着手できる作業が決まるなら、SkyPlannerをお選びください。
提供が終了したSage 200 Manufacturingモジュールから移行し、長期のプロジェクトを経ずに数週間で実用的なスケジュールを作りたいなら、SkyPlannerをお選びください。
未完了の製造指図をExcelにエクスポートし、30日間の無料トライアルでお試しください。最大20リソースまで利用でき、クレジットカードは不要です。トライアル期間中に、自社の生産能力に収まるスケジュールを確認できます。その後の料金は5リソースを含めて月額199 €から。月払いで、いつでも解約できます。連携費用は、お客様の業務プロセスと要件に合わせて、ご利用プランとともに事前に見積もるため、開始前に総費用を把握できます。導入は通常、オンボーディング開始から数週間で完了します。
SkyPlannerはSage 200と双方向に連携します。製造指図は製造用アドオンから、製品、在庫、発注情報はSage 200 REST API経由で取り込みます。計画した工程日程は製造指図に書き戻します。SkyPlannerチームがオンボーディング中に連携を設定し、本稼働後もサポートします。パートナーや社内の開発者も、APIトークンだけで、ドキュメントが公開されているREST API(APIリファレンス)を利用できます。
連携の仕組みはSage 200向けSkyPlannerのページでご確認ください。具体的な手順はSage 200連携ガイドでご覧いただけます。他のERPとの連携はERP連携一覧に掲載しています。
製造業のお客様によるSkyPlannerの評価
2 時間毎週削減
「SkyPlannerによって、Excelの表で行っていた生産計画から、リアルタイムで生産を最適化する仕組みへ移行できました。」
Kalle Kalliomäki、サプライチェーン担当スペシャリスト
UTU · 配電盤・開閉装置
生産計画にかかる作業時間を毎週2時間削減し、新しい作業順序も数秒でラインに伝えられます。
99.2%納期遵守率
「SkyPlannerによってボトルネックが見えるようになり、生産管理で把握すべきことが明確になりました。」
Toni Tuori、生産管理責任者
Piristeel · 屋根用安全設備・雨水排水システム
今年の納期遵守率は99.2%に達し、スケジューリングによって一日あたり最大四時間の業務時間を削減しています。
よくある質問
Sage 200にはスケジューリングツールがありますか?
基本製品にはありません。スケジューリングには、SiconのRough Cut Capacity Planning、Cim200のGraphical Scheduler、または提供が終了したSage 200 Manufacturingモジュールを使います。Siconと旧モジュールは負荷を表示します。Cim200は製造指図の各工程をスケジュールし、リソースの重複を警告します。いずれの場合も、競合を解消するのは計画担当者です。
Sage 200 Manufacturingのサポートは続いていますか?
いいえ。Sageは2020年11月に販売を終了しており、Sage 200 Professional 2025 R2以降では使用できません。Sageによるサポートは2025年12月31日に終了しました。
Sicon Rough Cut Capacity Planningは、実際の生産能力を制約とした生産スケジューリングに対応していますか?
これは生産能力を可視化する機能です。現在の製造指図を基に、人員と機械の能力を日別または週別に表示し、計画担当者が製造指図の日程を変更して過負荷を平準化します。一方、生産能力を制約として扱う生産スケジューラは、能力に空きがある時間帯にだけ各工程を自動配置します。
Sage 200は作業順序によって変わる段取り時間に対応していますか?
SiconはBOMデータから作業時間と機械時間を見積もり、Cim200は製造指図の工順に設定された時間を基にスケジュールを組みます。SkyPlanner APSでは、さらに段取り時間マトリクスを使えます。製品の組み合わせごとの段取り替え時間(青から赤は30分、赤から青は60分)を登録し、その時間を最小限に抑えるように作業順序を決めます。
SkyPlanner APSはSage 200とどのように連携しますか?
SkyPlannerはSage 200と双方向に連携し、SkyPlannerチームがオンボーディング中に設定を行います。製品、在庫、発注、受注の情報はSage 200 REST API経由で、製造指図は製造用アドオンから取り込みます。計画した工程日程は製造指図に書き戻し、スケジュールの変更は発生するたびにSkyPlannerのWebhookで送信します。