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SkyPlannerのオープンREST APIは、社内ERPを含むERP、MES、運用システムと連携します。自社で構築することも、当社チームの支援を受けることもできます。

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価値の流れ図:工場の現状を描き、流れを改善する

製品が滞留する原因を探ります。1つの製品群を対象に価値の流れ図で物と情報の流れを描き、待ちの状況を読み解き、現場で実行できる改善を選びます。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新日 2026年10月22日 3 分で読めます
Material and information paths connect three manufacturing stations, with parts waiting before the middle machine.
この記事の内容
  1. 工程フロー図では見えず、価値の流れ図で見えること
  2. 1. 対象を1つの製品群に絞り、範囲を明確にする
  3. 2. 現場で現在の流れをたどり、実測データを集める
  4. 3. 物の流れ、指示、時間を同じ図に描く
  5. 簡単な製造例で考える
  6. 4. 時間の指標を混同せず、待ちの状況を読み解く
  7. 前後の工程だけでなく、需要を基準に工程を見る
  8. 5. 遅れの原因を踏まえて将来の状態を設計する
  9. SkyPlannerでスケジューリングの改善を実行に移す
  10. 作業全体を調整するスケジューリングがMamecにもたらした変化
  11. 効果を検証できる改善を1つ選んで始める

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推定読書時間: 12 分

部品の加工は数分で終わるのに、次の工程へ進むまでに何日も待つことがあります。工程を順に描けば、部品がどこを通るかは分かります。価値の流れ図を作成すると、そこに至るまでなぜそれほど時間がかかるのかを理解できます。

価値の流れ図(VSM)は、製品を届けるために必要な物と情報の流れを、その途中にある作業、在庫、停滞も含めて可視化するリーンの手法です。現状を図に描き、よりよい将来の姿を設計し、その実現に必要な変更について合意します。

製造チームにとって大切な成果は、「どこを変えれば顧客に届くまでの流れがよくなるか」を決めることです。段取り時間の短縮など、現場の作業そのものを変える場合もあれば、待ち行列に加わるだけの作業を現場へ投入しないようにする場合もあります。共用リソースで複数の受注が競合しているなら、SkyPlanner APSが、合意した工程と優先順位を基に全体の整合が取れた生産スケジュールを作成します。これにより、作業の順番を手作業で組み直す負担を減らせます。

工程フロー図では見えず、価値の流れ図で見えること

工程フロー図では、切断、成形、組立、出荷という順序を示せます。価値の流れ図では、その順序と、流れを左右する条件を結び付けます。どれだけの作業が待っているのか。計画担当からはどのくらいの頻度で指示が出るのか。現場の監督者は生産スケジュールに従っているのか、それとも別の特急作業リストを使っているのか、といった点です。

この図には、次の3つの視点をまとめます。

  • 物の流れ:設定した起点から顧客への引き渡しにつながる終点までの工程、在庫の置き場、物の移動。
  • 情報の流れ:各工程で何をすべきかを伝える受注、生産スケジュール、補充信号、その他の指示。
  • 時間と稼働データ:流れの状態を説明する加工時間、段取り替え、稼働可能時間、品質、在庫、停滞。

工順は、製品をどのように製造するかを示します。一方、価値の流れ図では、流れ全体の現状と、今後どうあるべきかを考えます。顧客にとっての価値を生まない活動も含めてください。省いてしまうと、見つけたいはずの改善の機会まで隠れてしまいます。

1. 対象を1つの製品群に絞り、範囲を明確にする

まず、似た工程を通り、同じようなリソースを使う製品を選びます。製品と工程の簡単なマトリクスを作ると、どの製品を同じ群にまとめるべきかが見えてきます。どの製品も出荷工程を通るからといって、最初の図に工場の全製品を載せないでください。

納品までのリードタイムが長い、仕掛品が多すぎる、組立で繰り返し部品が不足する、頻繁に納期の督促や前倒し対応が必要になるなど、取り組む価値のある課題を抱えた製品群を選びます。製造、計画、資材、品質に詳しい担当者を集めましょう。それぞれの視点を持ち寄ることで、部門間で作業が止まる理由をつかみやすくなります。

対象範囲は図に明記します。例えば「繰り返し生産する筐体の製品群。ブランク材の入荷から、完成品が出荷可能になるまで」と記載します。顧客需要、品種構成、観察期間も記録してください。受注入力や外注処理が範囲外で大きな遅れを生んでいる場合は、所要時間を黙ってゼロ扱いするのではなく、範囲内との接点を示して調査します。

多品種を扱うジョブショップ型の工場でもVSMは使えます。代表的な製品群や工順のパターンを選び、無視できないばらつきを記録し、他の製品群と共用する設備を特定します。2分の作業と8時間の作業をまとめて平均しても、どちらの実態も十分に表せず、改善の判断には使えないことがあります。

2. 現場で現在の流れをたどり、実測データを集める

実際に作業をしている人と一緒に、製造現場で物の流れをたどります。出荷側から上流へさかのぼると、各工程が前工程に何を求めているかをつかみやすくなります。必要に応じて外注、手直しによる戻り、在庫の置き場も含め、実際の順序を描いてください。ERPの記録は補足データとして使い、現場が記録どおりに動いている証拠とは考えないようにします。

各工程と工程間について、実態を説明できるだけの情報を集めます。

記録する項目記録する理由
実測したサイクルタイムまたは加工時間。時間の単位と、何個当たりの値かも記載作業そのものにかかる時間と待ち時間を区別できます。
段取り時間と、実際の生産ロットサイズ・搬送ロットサイズ段取り替えや、ロットがそろうまでの待ちが流れに影響しているかを確認できます。
稼働可能時間、シフト、人員、リソースの共用状況一見短時間で終わる工程にも、なぜ長い待ち行列ができるのかを理解する手掛かりになります。
在庫数量とその状態使用可能な在庫と、未完品、不良品、隔離中の資材を区別できます。
品質不良によるロスと手直し作業のやり直しや、流れが途切れる箇所を可視化できます。
代表的な注文について、工程への到着時刻、作業開始時刻、完了時刻設定した範囲内で、実際にどれだけ待ち、通過にどれだけ時間がかかるかを確認できます。
生産指示の発信元、頻度、受信者作業がどのように現場へ投入され、優先順位がどう変わるかが分かります。

データには日付、出所、集計・測定の基準を明記します。ある朝に一度だけ数えた在庫は、その時点の状態にすぎません。繰り返し観察して得た代表的な平均値のほうが、常態化している状況を裏付ける根拠として有力です。製品間の違いが大きい場合は、単一の数値にまとめてばらつきを隠すのではなく、値の範囲を残すか、製品群を分けてください。

次にどの作業をするかは何で決まるのか、作業者に聞いてみてください。答えが電話での連絡なら、正式な手順に「ERPの日次スケジュール」と書かれていても、その電話指示を図に記します。こうした点を書き込むことで、単に遅れを示すだけだった図が、その理由を説明し始めることがよくあります。

3. 物の流れ、指示、時間を同じ図に描く

図の両端に顧客と仕入先を置き、その間に主要工程を順に並べます。在庫の置き場と数量、物の移動を示す線を加えます。工程の流れの上側には、顧客の要求が計画担当へ届き、そこから製造へ指示が伝わる経路を描きます。各工程の下には関連する工程データを、図の最下部には時間の推移を示すタイムラダーを配置します。

一般的なVSMの記号を使い、誰もが同じ意味で読めるよう簡単な凡例を添えます。工程は四角い枠、資材や仕掛品の在庫は三角形で表します。物の移動は物の流れの矢印で、指示は情報の流れの矢印で示します。手作業による伝達と電子的な伝達を区別する必要があれば、線の種類を変えます。データボックスには稼働に関する数値を記載し、改善案はギザギザの吹き出しで示します。

将来の姿を描く図では、スーパーマーケットの記号は補充ルールで管理する在庫を表し、FIFOレーンは先入れ先出しのルールを定めた工程間のつながりを表します。これらの記号は、枠同士を装飾的につなぐためではなく、合意した運用ルールを示すために使います。

簡単な製造例で考える

繰り返し生産する筐体の製品群を例に考えます。顧客の平均需要は、生産日当たり良品の筐体100個です。現状の物の流れは次のとおりです。

ブランク材の入荷 → 切断 → 成形 → 組立 → 出荷可能な完成品

図には、待機中の在庫と実測した加工時間も記録します。

図上の位置待機在庫筐体1個当たりの加工時間
切断前100個切断:20秒
切断と成形の間300個成形:40秒
成形と組立の間100個組立:60秒
出荷待ちの完成品100個この例の加工時間合計には含めない

この物の流れの上に、実際の情報の流れを描きます。顧客の要求は毎日計画担当に届き、計画担当は切断と成形へ別々の作業リストを送ります。組立からは、急ぎで必要な部品を電話で依頼しています。切断では空き時間ができるたびに大ロットの加工を始めています。成形では他の製品群と設備を共用しています。

ここまで描くと、図から検討すべき点が見えてきます。最も長い待ち行列ができるのは、必ずしも実測時間が最も長い工程ではありません。早すぎる作業投入と、共用設備の能力をめぐる競合が重なる場所にできている可能性があります。

4. 時間の指標を混同せず、待ちの状況を読み解く

製品同士を比較でき、流れが安定している場合、在庫が需要の何日分に相当するかは、まず次の式で概算できます。

在庫日数(生産日換算)= 在庫数量 ÷ 1日当たりの平均需要

この例では、成形前の待ち在庫は、需要の300 ÷ 100 = 3稼働日分に相当します。4か所の待ち在庫を合わせると600個あり、同じ需要量で換算すると6稼働日分です。

三工程の加工時間は合計で20 + 40 + 60 = 120秒、つまり筐体当たり2分です。この差を見ると、設備のサイクル短縮だけに注力する前に、待ちが発生する理由を調べる必要があると分かります。

ただし、在庫が需要の6稼働日分あるという計算は、各注文のリードタイムを実測したものではありません。実際の経過時間は、製品構成、需要の変動、ロット単位の搬送、稼働カレンダー、優先順位による順番の入れ替わりなどに左右されます。代表的な注文の時刻記録と照合し、図が実態に合っているかを確認してください。その際は、計測の始点と終点を統一します。稼働日と暦日も混同してはいけません。

また、加工時間が2分だからといって、その2分すべてが付加価値を生む作業とは限りません。リーン生産方式でいう付加価値作業とは、顧客が価値を認める形で製品を変化させる作業です。検査や手直しには時間がかかっても、この定義に当てはまらない場合があります。付加価値時間の比率を計算するなら、まず作業を分類し、分子と分母で時間の基準をそろえてください。

前後の工程だけでなく、需要を基準に工程を見る

この製品群に使える生産時間が日当たり420分なら、需要に基づくタクトタイムは420 ÷ 100 = 筐体当たり4.2分です。タクトタイムが示すのは、顧客の需要に応えるために必要な生産ペースであり、設備の速度を実測した値ではありません。

この例では、各工程の加工時間はタクトタイムを下回っているのに、流れ図には大量の待ち在庫があります。だからといって、リソースの生産能力に余裕があるとは言い切れません。成形機はほかの製品群にも使われており、段取り、設備が使えない時間、人員配置による制約も考慮する必要があります。ボトルネックと判断したり設備を増設したりする前に、負荷の全体像を確認してください。

切断を4秒短縮しても、それだけでは成形前に3稼働日分の在庫がある理由は分からず、その在庫もなくなりません。問うべきなのは、なぜその300個が生産に投入され、何が次工程への流れを妨げているのか、ということです。

5. 遅れの原因を踏まえて将来の状態を設計する

現状の流れ図を使い、物と情報をどう流すべきかについて合意を形成します。単に図に書く在庫数を小さくするだけでは不十分です。

筐体の製品群について、生産計画担当者や作業者と一緒に成形前の待ち在庫を調べます。加工可能な部品が、設備の空きを待っているのでしょうか。材料不足や品質上の保留が解除されないために、作業が止まっているのでしょうか。その日の作業リストが頻繁に変わっていないでしょうか。切断工程だけの設備稼働率で評価されるために、先行して作りすぎていないでしょうか。

原因が違えば、必要な対策も変わります。段取り時間を短縮すれば、小ロット生産が現実的になります。連続した流れに適した工程同士をつなげば、工程間の待ち在庫をなくせます。それが難しい場合は、管理されたFIFO(先入先出)の工程間接続や、スーパーマーケット方式による補充で、次に流す物を制御できる場合があります。必要な硬化・養生、冷却、品質上の保留は、承認済みの工程変更によって不要になるまで、図に明示し続ける必要があります。

繰り返し生産の流れを設計する際は、顧客の要求に基づく生産計画をどの工程に指示するかを決めます。多くの場合、その指示先はペースメーカー工程、つまり生産リズムによって流れ全体を制御する工程です。上流工程は何を合図に生産し、下流工程はそれにどう追従するのかを定めてください。各工程に独立した、互いに矛盾するスケジュールを出すと、将来の流れ図でなくそうとした待ち在庫が再び生じかねません。

チームが試行の目標として、成形前の待ち在庫を300個から100個に減らすと決めたとします。需要量が同じなら、在庫は2稼働日分減る計算です。これは検証すべき目標であって、自動的に納品が2日早まるという意味ではありません。

運用をどう変えるか、具体的に決めてください。何を合図に切断を始めるのか、成形前の待ち在庫をいくつまで認めるのか、緊急時の例外には誰が対応するのか、ほかの製品と成形工程の能力をどう配分・調整するのかを明確にします。紙の上で在庫を表す三角形を小さく描くだけでは、決めた運用は実行されません。

SkyPlannerでスケジューリングの改善を実行に移す

将来の流れ図は、目指す物と情報の流れを定めるものです。SkyPlannerは、図にした製品群だけでなく、実際に抱えている全注文を対象に、その流れをスケジューリングの面から支援します。

合意した作業内容を製品の工程として登録し、各工程で使用可能なリソース、加工時間、段取り時間を設定します。シフトとリソースの稼働可能時間を登録したうえで、約束した納期に沿って優先順位を設定してください。SkyPlannerのスケジューリングAIであるArcturusが、生産能力、工程間の依存関係、その優先順位を考慮してスケジュールを計算します。資材の利用可能状況を考慮するスケジューリングを有効にすると、資材の手配状況も作業の実行時期に反映されます。

筐体の製品群でいえば、同じ成形機を使うほかの注文も含めて、成形作業のスケジュールが組まれます。設備が常に使えると仮定した製品群別の計画を別途管理するのではなく、計算された作業順序をGanttビューで確認できます。これにより、作業待ちの順序を手作業で調整する負担が減り、部品の滞留につながる競合も早い段階で把握できます。

合意した流れの制御ルールは維持してください。将来の状態にプル型の補充を採用するなら、生産を許可するのは補充の合図です。スケジューリングは、その合図で許可された作業を、利用可能なリソースに割り当てます。能力計算の結果を、不要な在庫を作る許可にしてはいけません。

特急注文やシフトの変更で状況が変わったときは、Arcturusでスケジュールを再計算できます。設定したルールやロックによって、維持すべき決定を守れます。SkyPlannerは、オープンなREST APIを通じて、あらゆるERPやMESと連携できます。注文や生産データを管理している既存システムをそのまま使いながら、スケジューリングを改善できます。

作業全体を調整するスケジューリングがMamecにもたらした変化

混合技術製品とハイテク製品の受託製造を手がけるフィンランドのメーカーMamecは、相互に依存する数千件の作業指示を抱えていました。現場の監督者は紙の作業指示書に記載された納期を基に優先順位を決めていましたが、経営側は負荷の全体像を正確に把握できていませんでした。

同社はSkyPlannerをOscar ERPと連携させました。現在はAIによる有限能力スケジューリングで計画作成の下準備を行い、作業順序を1週間単位で固定することで、機械加工の担当者が次の作業を把握し、準備できるようになっています。

MamecはSkyPlannerの導入効果として、作業順序の改善によるリソースの停止時間の削減、計画業務の負担軽減、仕掛品在庫に不必要に拘束される運転資金の削減を報告しています。この事例は、相互に依存する作業を調整することの実務的な価値を示しています。流れを改善し、その状態を保つには、生産状況が変わっても現場で使い続けられる共通の計画が必要です。

効果を検証できる改善を1つ選んで始める

将来の状態に向けた最初の取り組みには、担当者、完了日、測定可能な成果を設定します。成形前の待ちについては、待ち在庫と、部品の到着から作業開始までの実際の時間を追跡し、スループット、納期遵守状況、緊急の例外対応も併せて確認してください。待ち在庫が減っても、遅れが切断工程や組立工程、あるいは顧客側に移っただけではないかを確かめます。

その流れを実際に運用している人たちと結果を振り返ります。流れの改善につながった取り組みは継続し、うまくいかなかった点は原因を調べ、現状の流れ図を更新してから次の改善を選びましょう。

自社工場でスケジューリングをどう改善できるか確認するには、SkyPlannerのデモをご予約ください。図にした製品群、最も大きな待ち在庫、そのリソースを共有するほかの作業について、情報をご用意ください。流れ図を活用して待ちを減らし、現場が実行できる生産計画につなげるための、具体的な出発点になります。まずはご自身で操作してみたい方は、デモデータでSkyPlannerをお試しください。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlannerで、わかりやすい生産スケジュールを

データを連携し、最初の計画を確認。本番稼働するすべてのスケジュールは計画担当者が最終判断します。