Sylob ERPは能力制約を考慮した生産スケジューリングに対応しているか?Sylobの計画機能・CADPLANとSkyPlanner APSを比較
はい。作業区ごとに対応しています。Sylob 9では各作業区(centre de charge)に無限能力または有限能力を設定でき、有限能力の作業区では一度に一つの工程を処理します。Sylobの公式トレーニングでは、まず無限能力で始めることを推奨しています。制約条件を考慮したスケジュールの最適化は、SylobがERPと連携させるAPS、CADPLANが担います。SkyPlanner APSはSylob ERPと併用するクラウド型の生産スケジューラです。30日間のトライアルで、自社の製造指図を使って試せます。
Sylob ERPで生産計画を立てる手順
Sylobは複数の階層で計画を立てます。対象は “Plan Industriel et Commercial (PIC), Plan Directeur de Production (PDP), plan de charge, ordonnancement court terme,”(販売・生産計画、基準生産計画、負荷計画、短期スケジューリング)に加え、デジタル化された現場計画と従業員の配置計画です。(Sylob)生産計画から実行までの流れは、六つの部分で構成されます。
1. 品目、部品表、工順
品目はarticlesと呼ばれ、購入品と製造品があります。製造品には、多階層の部品表(nomenclature)と、工程・時間・マイルストーンを定義した工順(gamme)を設定します。Sylobは “à partir des opérations, temps et jalonnements définis dans vos gammes”(工順に定義された工程、時間、マイルストーンに基づいて)製造指図を作成し、代替工順にも対応しています。(Sylob)
2. 作業区と稼働カレンダー
各工程は作業区で実行されます。Sylobは作業区を “un groupe de ressources capable de réaliser la même tâche dans les mêmes conditions”(同じ条件で同じ作業を実行できるリソースのグループ)と定義しています。作業区の種別はMachine(機械)またはmain d’œuvre(労務)です。(Forterroナレッジベース)
生産能力を決める設定項目は次のとおりです。
- Nombre de ressources:機械の台数または人数です。生産能力は、リソース数にカレンダー上の稼働時間を掛けて算出します。
- Capacité maximum:これを超えると作業区が過負荷と判定されるしきい値です。負荷計画上で視覚的に警告するために使われます。
- Attente amont / Attente aval:工程の前、および次の工程に移るまでの待ち時間です。運搬、乾燥、冷却などの時間を設定します。
- Semaine type:標準的な一週間の稼働パターンです。例外を設定して稼働時間を増減したり、リソース数を変更したりできます。
- Type de capacité:無限能力、または三種類の有限能力のいずれかを選びます。
3. 正味所要量(CBN)
Sylobは正味所要量(CBN)と総所要量(CBB)を計算し、計画の変更を購買と生産に連動させます。(Sylob)スケジュールはバックワード方式で作成します。”Sylob planifie au plus tard.”(Sylobはできるだけ遅い日程で計画します。)つまり、必要日に間に合う範囲で、各工程をできるだけ後ろに配置します。
4. 負荷計画(plan de charge)
負荷計算によって、製造指図(OF)の各工程が作業区に割り付けられます。無限能力では、Sylobは必要日のみを基準とし、”Plusieurs opérations peuvent être réalisées en même temps”(複数の工程を同時に実行できます)。過負荷は負荷計画上に表示され、計画担当者が平準化します。負荷計画は “fonctionne en simulation”(シミュレーションモードで動作)するため、作業区ごとに前提条件を検証し、部品の遅れ、出荷できない受注、工具の不足を確認できます。
ForterroはSylob 9で負荷計画を刷新しました。同社は以前のバージョンを “plus d’un outil de visualisation plutôt qu’un outil de planification dynamique”(動的な計画ツールというより、可視化のためのツール)と説明しており、Excelで補う運用が多く見られました。(Forterro)現在は、計画担当者が負荷の元になっている製造指図を余裕時間や優先順位で並べて表示し、日程を動かして確定します。
5. 能力制約を考慮した計画
有限能力では、”une seule opération est permise sur le centre de charge”(作業区で実行できるのは一度に一つの工程のみ)となり、その作業区はボトルネックとして扱われます。有限能力の三つの設定値によって、従業員の配置計画の作り方が変わります。配置計画なし、工程全体に一人を配置、複数人を順番に配置、のいずれかです。計画担当者は「Planifier à capacité finie」で、工程同士の日程が重ならないように計画します。
会社パラメーターを設定すると、有限能力での計画に、重要部品の利用可能状況による制約を追加できます。(Forterro)
リリース2025.Q4.1から、既存の機能に「Planifier les opérations dans un Gantt」が加わりました。事前に行った負荷計算を起点に使います。計画担当者は、工程のドラッグ&ドロップ、作業区やリソース数の変更、工程または製造指図全体の固定、製造指図を可能な限り早い日程または遅い日程に変更する操作ができます。”Les modifications du planning sont répercutées en production uniquement lorsqu’elles sont validées”(計画の変更は、確定した場合にのみ生産に反映されます)。(Forterro)
6. APSを担うCADPLAN
スケジュールの最適化に向けて、SylobはCADPLANを提供しています。”la solution logicielle paramétrable CADPLAN, qui s’interface parfaitement à l’ERP Sylob et le complète”(Sylob ERPとシームレスに連携し、その機能を補完する、設定可能なソフトウェアCADPLAN)という位置付けです。Sylobは、”un algorithme d’ordonnancement à capacité finie sous contraintes”(制約条件と有限能力を考慮したスケジューリングアルゴリズム)、数に制限のない着手シナリオ、ガント表示またはリスト表示を挙げ、段取り時間と工具交換の削減を目指しています。(Sylob)
ForterroのCADPLAN利用者向けトレーニングでは、生産システム、拠点、稼働時間、リソースに加え、生産方法のデータ(製造品目、フェーズ、作業、工順)を扱います。さらに、製造指図の選択と前提条件を含むシミュレーションの定義、短期・中期の計算、平準化と標準的なヒューリスティクス、計算結果の対話的な編集も対象です。受講者は、ERPの技術データをあらかじめ十分に理解している必要があります。(Forterroのトレーニングプログラム)
計画担当者に残る作業
Sylobは、自社の計画機能で対応できる範囲を明確に文書化しています。
- まずは無限能力から。“Dans la pratique, privilégier le type de capacité \”Infinie\” dans un premier temps.”(実務では、まず能力種別に「無限」を優先して選びます。)Sylobは、導入当初は無限能力を推奨しています。有限能力での運用には、”un ordonnanceur dédié”(専任のスケジューリング担当者)、信頼性の高い技術データ、ほぼリアルタイムの生産実績報告が必要です。(Forterro)
- 無限能力では能力を考慮せずに作業を配置。Sylobの公式の例では、同じ日を納期とする三つの製造指図が、一つの作業区に “sans tenir compte de la capacité du centre de charge”(その作業区の能力を考慮せずに)割り付けられ、過負荷になります。
- 有限能力の作業区では一度に一工程。有限能力の作業区が一度に実行するのは一つの工程で、Sylobはその作業区をボトルネックとして扱います。
- 能力は警告の基準。Capacité maximumによって、負荷計画に過負荷が表示されます。解消するのは計画担当者です。
- すべての変更を計画担当者が確定。計画の変更は確定後にのみ生産へ反映され、新しいガント画面では直前の変更を取り消せません。Forterroは、作業を進めながら逐次確定することを推奨しています。
- 新しいガント画面には負荷の数値が未表示。“Les notions de charge utilisée et charge disponible ne sont pas présentes sur cette version d’interface (à l’étude).”(このバージョンの画面には、割付済みの負荷と残りの能力は表示されません。現在検討中です。)2025.Q4.1のガント画面では、割付済みの負荷と残りの能力は表示されません。
- 計画機能が複数に分かれている。Forterroは、負荷、スケジューリング、有限能力での計画、従業員の配置計画、プロジェクト計画を別々の機能として挙げています。また、新しい画面が登場する以前は、いずれも “simple et ergonomique”(シンプルで使いやすい)ものではなかったと述べています。
CADPLANは最適化機能を追加しますが、こちらにも対応範囲の限界があります。
- 独自のデータを持つ別ツール。Sylobの説明では、CADPLANはERPと連携するツールであり、生産方法のデータと計算ルールを独自に持ちます。
- 計画担当者がシミュレーションを実行。公開されている手順は、シミュレーションを定義し、製造指図を選択し、前提条件を設定して計算を実行した後、結果を編集するという流れです。
- 契約条件は非公開。SylobはCADPLANの価格やライセンス条件を公開していません。
工場全体の能力制約を考慮する仕組みがなければ、作業区が過負荷になり、必要日は能力に空きがあることを前提に設定され、正式な計画とは別にExcelでも計画を管理することになります。
Sylob ERP標準の計画機能で十分な場合
次の条件なら、Sylobの負荷計画と有限能力の作業区で対応できます。
- 工場の生産量を制約する作業区が一つか二つで、それ以外には能力の余裕がある。
- 各ボトルネックでは、一度に一つの工程を実行する。
- リードタイムが長く、週次の負荷確認で十分に対応できる。
- 計画担当者が計画を確定し、機械ごとの作業順序を決める。
- 段取り替え、共用工具、材料の入荷によって作業順序が左右されない。
CADPLANを使用している場合は、以下のチェックリストに照らして検証してください。どのスケジューラを選ぶ場合でも、工程の日程を管理するシステムは一つにします。
能力制約を考慮する生産スケジューラが必要な場合
次の項目が複数当てはまるなら、負荷計画による運用だけでは対応しきれなくなっています。
- バックワードで算出した必要日には問題がなさそうでも、納期が遅れる。
- 製品構成によってボトルネックが移動する。
- 作業区に複数の機械があり、それぞれのスケジュールを組む必要がある。
- 直前に生産した製品によって段取り替えの時間が変わる。
- 成形型、プレス金型、治具を複数の機械で共用している。
- 人員、シフト、欠勤が計画の制約となり、複数の作業者が同時に必要な作業もある。
- 発注した材料の入荷状況によって、着手できる作業が決まる。
- 特急受注や故障により、週に何度も計画を組み直している。
- 作業者がスマートフォンやタブレットで自分の作業待ちリストを確認する必要がある。
選定時に確認するポイント
CADPLANを含め、どのベンダーにも次の点を確認してください。
- すべてのリソースの能力制約を同時に考慮:ボトルネックを一つずつ扱うのではなく、すべての機械、作業者、工具について、それぞれのシフトを踏まえて計画できること。
- 段取り時間マトリクス:製品の切り替え順によって異なり、逆順でも同じとは限らない段取り替え時間を使って、段取り時間の合計を最小化できること。
- 工具の数を考慮した共有リソース管理により、一つの治具が二台の機械に同時に割り当てられないこと。
- 複数の作業者が必要な作業に、そのシフトで空きのある人員を配置できること。
- 資材を考慮したスケジューリングで、在庫だけでなく発注済み資材の入荷も計画に反映できること。
- 代替の機械や人員を、主に使うリソースが埋まっているときにエンジンが利用できること。
- 自動再スケジューリングにより、生産の進捗や受注の変更に対応できること。計画担当者がシミュレーションを設定して実行する必要がないこと。
- 作業者ごとの作業待ちリストをスマートフォンやタブレットで確認でき、実績報告を計画に反映できること。
- 自社の製造指図(OFs)で試用してから、ライセンスの購入や導入プロジェクトを判断できること。
- Sylobへの書き戻し先が明確であること。計画日時は製造指図の各工程に、実績報告も同じ工程に書き戻します。工程の日時をどちらのシステムで管理するか、合意しておきましょう。
選択肢は三つに分かれます。
- CADPLANは、SylobがERPと連携させているAPSモジュールです。
- 現場向けスケジューリングツールは、フランスのベンダーが提供する、ERPから製造指図を読み込むツールです。
- 製造現場での実行機能を備えたクラウドAPSは、Sylobと併用し、すべてのリソースを自動でスケジューリングします。SkyPlannerはこのグループに属します。生産の変化に合わせて再計画を続け、作業者がスケジュールを手元で確認できるようにします。
これらに共通する手法は、能力制約を考慮した生産スケジューリングのガイドで解説しています。
SkyPlannerが担う役割
SkyPlanner APSは、上記のすべての項目に対応しています。各リソース、人員、工具の能力や数に制約があることを前提に計画します。Sylobで三台の機械を持つ作業区は、SkyPlannerでは三つのリソースからなるグループとなり、それぞれに作業待ちリストを持ちます。Arcturus AIエンジンは、指定した優先順位と納期に従って工程を並べ、工程単位のスケジュールを数秒で作成します。
段取り時間マトリクスには、製品の組み合わせごとに双方向の段取り替え時間を登録します。例えば、青から赤への切り替えは30分、赤から青は60分です。エンジンは段取り時間が最も短くなる順序を選びます。工具は数に制約のある共有リソースとして扱い、一つの作業に複数の作業者が同時に必要な場合にも対応します。主に使うリソースが利用できないときは、エンジンが代替の機械や人員を使います。
資材を基準にしたスケジューリングでは、Sylobの在庫と未入荷の発注情報(commandes fournisseurs)を基に、将来の在庫をシミュレーションします。発注済みの資材は納入日に使用可能とみなし、資材が揃う時点以降にのみ作業を計画します。
Autopilotは、生産に変化が生じると、Running Time Lockを含むロック設定と優先順位を守って、自動で再スケジューリングします。計画担当者は、操作可能なガントチャート上で作業を編集できます。作業者はMobile Confirmations、Production Timer、Quick Log Modeを使い、スマートフォンやタブレットで自分の作業待ちリストを確認し、作業を記録できます。
次の場合は、CADPLANよりSkyPlannerが適しています。
- 数週間でスケジュールの本番運用を始めたい。SkyPlannerはSylob ERPと併用するクラウドソフトウェアで、既存の製造指図と工順を読み込みます。試用期間中に自社の製造指図で検証し、オンボーディング開始後、数週間以内に本番運用に移れます。
- 計画を自動で最新に保ちたい。CADPLANが公開しているワークフローでは、選択した製造指図に対し、計画担当者が設定したシミュレーションを実行します。Autopilotは、計画に影響する変更があるたびに自動で再計画します。
- すべてのリソースの制約を計画に反映したい。Sylobで有限能力に設定した作業区は、一度に一つの工程を実行します。SkyPlannerは、すべての機械、人員、工具の制約を同時に考慮します。段取り時間マトリクス、複数の作業者が必要な作業、代替リソース、発注済み資材の入荷を、一つのスケジュールに反映します。
- 作業者に最新の作業順で作業してもらいたい。Mobile Confirmationsにより、すべての作業者がスマートフォンやタブレットで最新の作業待ちリストを確認でき、実績報告はSylobに書き戻されます。
未完了の製造指図をCSVまたはExcelでエクスポートし、30日間の無料トライアルから始めてください(最大20リソース、クレジットカード不要)。試用後の料金は、5リソース込みで月額199 €からです。連携費用は、お客様の業務プロセスと要件に合わせ、利用プランとともに事前にお見積もりします。導入は通常、オンボーディング開始後、数週間以内に完了します。
SkyPlannerはSylob ERPと双方向で連携します。製造指図、工順、作業区、在庫、発注情報を取り込み、工程の計画日時と生産実績をSylobに書き戻します。SkyPlannerチームがオンボーディング時に設定するか、お客様のSylobパートナーや開発者が、ドキュメントを公開しているREST APIを使って連携を構築できます(APIリファレンス)。
概要はSylob ERP向けSkyPlanner、技術的な詳細はSylob ERP連携ガイドをご覧ください。他のシステムとの連携は、ERP連携一覧で確認できます。
製造業のお客様によるSkyPlannerの評価
2時間毎週削減
「SkyPlannerによって、当社の生産計画はExcelの表計算から、リアルタイムの生産最適化へと変わりました。」
Kalle Kalliomäki、サプライチェーンスペシャリスト
UTU · 配電盤・開閉装置
生産計画にかかる作業時間を毎週2時間削減し、新しい作業待ちリストが数秒で生産ラインに届くようになりました。
+90%生産効率が向上
「生産効率が90%向上しました。」
Abdul Rucyinga、IT責任者
Laboratory & Allied · 医薬品製造
生産効率が90%向上し、全リソースを対象に、三か月分の最適化された生産計画を30分未満で作成できるようになりました。
1,000件単位の製造指図を自動スケジューリング
「生産管理のあり方が変わり、生産能力の把握も、これまでとはまったく違うレベルになりました。」
Hannu Ryynänen、CEO
Mamec · 産業用ミキサー、ポンプ、ハイテク製品の受託製造
数千件の製造指図を自動でスケジューリングし、組織全体で生産状況をリアルタイムに把握できるようになりました。
6か月先までの余力を営業部門が把握
「SkyPlannerは、あらゆる生産計画の土台を築き、計画に信頼性をもたらしてくれます。」
Anu Järvinen、生産マネージャー
Fredman Operations · 食品用包装紙
営業部門は六か月先まで生産能力の余力を把握できます。以前は一時間以上かかっていたスケジュール変更の依頼にも、数秒で回答できるようになりました。
よくある質問
Sylob ERPにはスケジューリングツールがありますか?
はい。Sylob 9には、作業区ごとの負荷計画、ガントチャートを使った短期スケジューリング、有限能力に設定した作業区での能力制約を考慮した計画、人員計画の機能があります。CADPLANは、制約条件の下でスケジュールを最適化するSylobのAPSモジュールです。
Sylobの無限能力と有限能力には、どのような違いがありますか?
無限能力の作業区では、工程は必要日に配置され、複数の工程を同時に実行できるため、負荷計画に過負荷が表示されます。有限能力の作業区では、一度に一つの工程のみを実行でき、計画担当者が「Planifier à capacité finie」(有限能力で計画)を使ってスケジューリングします。Sylobは、まず無限能力から始めることを推奨しています。
CADPLANはSylob ERPの一部ですか?
SylobはCADPLANを自社のAPSモジュールとして紹介し、ERPと連携すると説明しています。CADPLANは独自の工程設計データ、シミュレーション計算、ヒューリスティクスを持ち、Forterroは利用者と管理者向けに別途研修を実施しています。
CADPLANなしで、SkyPlannerをSylob ERPと併用できますか?
はい。SkyPlannerはSylobの製造指図を直接スケジューリングし、計画日時を製造指図の各工程に書き戻します。また、作業を計画する前に、Sylobの在庫と未入荷の発注情報を確認します。
Sylob ERPと連携する前にSkyPlannerを試せますか?
はい。Sylobのクエリから未完了の製造指図、工程、作業区をCSVまたはExcelにエクスポートし、30日間の試用期間中にインポートしてください。クレジットカードは不要です。料金を確認するか、無料トライアルを開始するか、営業に相談してください。