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MTBF(平均故障間隔)の計算方法と活用法

正確な稼働時間と故障回数で設備のMTBFを計算。結果を信頼性向上の取り組みに活かし、受注案件の納期を守る方法を解説します。

Jussi Mäntylä 生産計画スペシャリスト、SkyPlanner 更新日 2026年10月24日 3 分で読めます
A machining centre produces unequal runs of parts, interrupted by fault and repair symbols.
この記事の内容
  1. MTBFで何を測るのかを明確にする
  2. 対象設備の範囲を定める
  3. 単なる停止と区別して故障を定義する
  4. 稼働時間の計測基準を決める
  5. 観測期間を統一する
  6. MTBFの計算方法:製造現場での例
  7. 故障ゼロや複数設備のデータを、結果が歪まないように扱う
  8. 故障が1回もなかった場合は?
  9. 複数の設備のデータをまとめる場合は?
  10. 対策を選ぶ前にMTBFを読み解く
  11. 条件をそろえて比較する
  12. 平均値を次の故障までのカウントダウンにしない
  13. 故障頻度と停止時間を併せて見る
  14. MTBF・MTTR・MTTFの違い
  15. 信頼性の分析結果をSkyPlannerで生産上の判断につなげる
  16. 1台の設備を使える時間が納期にどう影響するか確認する

ホーム » リソース » MTBF(平均故障間隔)の計算方法と活用法

推定読書時間: 11 分

MTBF(平均故障間隔)は、修理可能な設備における故障1回あたりの平均稼働時間です。生産設備の場合は、観測期間内の総稼働時間を、同じ期間に記録された設備故障の回数で割って計算します。

MTBF = 総稼働時間 ÷ 故障回数

稼働時間160時間で故障が4回発生した設備のMTBFは、観測結果では稼働時間40時間となります。これは、40時間ごとに故障するという意味ではありません。また、稼働時間が40時間に達する直前に整備すれば、次の故障を防げるという意味でもありません。

大切なのは、故障の傾向から何を調査し、何を変えるべきかを考えることです。保全部門と製造部門が保全作業の実施に合意したら、設備が使えなくなる時間帯を受注の生産スケジュールにも反映する必要があります。SkyPlanner APSなら、その能力の変化と、影響を受ける作業や納期を関連づけられます。保全作業の一覧と設備ごとの作業順を、別々に突き合わせる必要はありません。

MTBFで何を測るのかを明確にする

割り算自体は簡単です。ただし、稼働時間と故障回数の集計条件をそろえるには注意が必要です。レポートを抽出する前に、データを記録する担当者と次の4点を確認し、合意しておきましょう。

対象設備の範囲を定める

まず、設備を特定するか、対象とするシステムの範囲を明確にします。マシニングセンタ、その主軸、機械加工部門全体では、それぞれ測定対象の範囲が異なります。

設備全体を測定対象とする場合、主軸の故障によって必要な加工ができなくなれば、それは設備の故障に数えます。主軸の部品を交換して設備を復旧させるからといって、設備そのものが修理不可能な品目になるわけではありません。

ライン単位で測定することもできますが、その場合は、ラインに求められる機能が失われた状態を「ラインの故障」と定義します。各構成部品のアラームをすべて足し合わせると、1回のライン停止を複数回の故障として数えてしまうおそれがあります。

単なる停止と区別して故障を定義する

設備に求められる機能と、その機能が失われたと判断する事象を明確にします。設備の不具合によって必要な運転条件を満たせなくなった場合は、電源が完全に落ちていなくても故障に該当し得ます。

計画的な整備、通常の製品の段取り替え、作業者の不在、材料待ちは、それだけで設備故障になるわけではありません。これらのロスも把握できるように記録しますが、故障回数とは分けて扱います。

短時間の不具合や、繰り返し行うリセットの扱いも決めておきます。解消していない1件の故障で複数のアラームが記録されても、それぞれを独立した故障として数えてはいけません。実際に復旧した後で新たに発生した故障は、別の事象です。集計基準のしきい値によって繰り返す不具合が見えなくならないよう、元の詳細記録を残して調査に使えるようにします。

稼働時間の計測基準を決める

本ガイドでは、実稼働時間に基づくMTBFを扱います。測定対象の範囲内で、設備が実際に動いていた時間を用いる方法です。修理時間やその他の非稼働時間は分子に含めません。得られる値は、ある故障の発生時刻から次の故障の発生時刻までの、暦上の平均経過時間ではありません。

稼働を示す信号が何を含むのかを明記します。電源投入中の時間を積算するアワーメータ、加工サイクルの実行信号、要員が配置されるシフトのカレンダーでは、集計時間が異なる場合があります。設備の故障を考えるうえで、稼働時間よりもサイクル数や起動回数が重要な場合は、それらを時間と同等とみなさず、稼働時間と併せて記録します。

観測期間を統一する

稼働時間と故障事象には、同じ集計開始日時と終了日時を使います。故障は、その期間内に発生したものを数えます。先月発生した故障の修理が今月完了しても、今月の新たな故障として数えてはいけません。

期間内の実稼働時間はすべて含めます。集計締め時点まで故障せずに稼働した時間も対象です。測定するのはその期間に観測された稼働時間であり、故障に至って終了した運転だけを選ぶのではありません。一方、その期間の停止時間を集計する際は、期間内に設備が使用できなかった時間だけを数えます。故障から復旧までが集計の締めをまたぐ場合は、事象全体と復旧までの記録を別途残しておきます。

故障ごとに、設備ID、発生時刻、復旧時刻、確認した症状または故障モード、関連する運転条件を記録します。こうした詳細があれば、平均値の背景を説明できます。

MTBFの計算方法:製造現場での例

修理可能なマシニングセンタ一台を、要員配置時間が200時間の集計期間にわたって観測したとします。時間の記録を集計すると、内訳は次のとおりです。各区分に重複はなく、四回の故障はいずれも合意した定義に基づく、別々の設備故障です。

時間の区分期間内の時間この計算での扱い
計画保全12稼働時間に含めない。故障には数えない
通常の段取り・段取り替え8稼働時間に含めない。故障には数えない
材料待ちによる設備の停止10稼働時間に含めない。設備故障には数えない
4回の設備故障による使用不能時間10稼働時間に含めない。停止時間の分析用に記録する
実稼働時間160MTBFの分子
要員配置時間の合計200内訳を照合するための合計。分子には使わない

計算は次のとおりです。

稼働時間160時間 ÷ 故障4回 = 故障一回あたりの稼働時間40時間

要員配置時間の合計から計算する場合は、まず非稼働時間を差し引きます。200 − 12 − 8 − 10 − 10 = 160時間です。元データがすでに実稼働時間160時間を示しているなら、その値をそのまま使います。そこから停止時間をもう一度差し引くと、MTBFを過小に算出してしまいます。

この例からも、シフトのカレンダーだけでは不十分な理由がわかります。要員配置時間200時間を故障四回で割ると、故障一回あたり50時間になりますが、この値には設備が稼働していなかった時間まで含まれています。

結果には、その前提も添えて報告します。たとえば「設備MC-01、集計期間、稼働時間160時間、故障4回、観測MTBF 40時間」と記載します。他の期間と比較する際には、代表値だけでなく、分子の稼働時間と故障回数も同じように重要です。

故障ゼロや複数設備のデータを、結果が歪まないように扱う

故障が1回もなかった場合は?

ゼロで割ったり、MTBFを無限大として完全な信頼性の証拠にしたりしてはいけません。「稼働時間160時間で故障は観測されなかった」のように、実際の稼働時間を使って報告します。

これは有用な実績ですが、数年間にわたる無故障運転と同じ重みの証拠ではありません。信頼下限を正式に求めるには、統計モデルと信頼水準の設定が必要です。通常の生産状況の確認であれば、点推定値を無理に作るよりも、故障回数ゼロと実際の稼働時間をそのまま示す方が実態に忠実です。

複数の設備のデータをまとめる場合は?

比較可能で、同じグループにまとめる妥当な理由がある設備については、各設備の稼働時間の合計 ÷ 故障回数の合計で計算します。全設備に共通する暦上の1期間を全設備の故障回数で割ったり、各設備のMTBFを重み付けせずに単純平均したりしてはいけません。

たとえば、同じ記録ルールを使う、比較可能な設備二台を考えます。一台は稼働時間160時間で故障四回、もう一台は稼働時間240時間で故障二回だったとします。まとめた結果は400 ÷ 6で、故障一回あたりの稼働時間は約66.7時間です。各設備のMTBFである40と120を単純平均した80ではありません。

設備ごとの結果も残しておきます。全体をまとめた値だけでは、生産上の問題を最も多く引き起こしている設備が見えなくなる場合があります。設備の設計、経年、使い方が異なるなら、工場全体を1つの信頼性指標で表すより、グループを分ける方が適切なこともあります。

対策を選ぶ前にMTBFを読み解く

観測されたMTBFが高いほど、定めた測定範囲における稼働時間あたりの故障回数は少ないことになります。ただし、それが改善を示すかどうかは、ほかにどのような変化があったかによります。

条件をそろえて比較する

故障の定義、稼働時間の計測基準、対象設備の範囲をそろえて期間を比較します。そのうえで、実際に行っていた作業を確認します。負荷の軽い製品構成に変わり、異なる負荷条件で設備を運転していたなら、MTBFが高くなっても、保全方法の変更が効果を上げた証拠になるとは限りません。

MTBFの推移には、実際の稼働時間と故障件数も併記します。短い集計期間では、わずか1件の故障で平均値が大きく変わることがあります。観測期間を長くすることは有効ですが、運転条件の異なる数年分のデータをまとめると、直近の悪化が見えなくなる場合があります。累積平均だけでなく、最近の傾向とその背景にある条件を確認してください。

どの生産設備にも当てはまる「良好なMTBF」の基準はありません。目標を有用なものにするには、比較可能な過去の実績、求められる運転条件、故障した場合の影響を反映させる必要があります。容易に迂回できる設備のMTBFが高いことよりも、重要工程を担う唯一の設備で停止が頻発することのほうが、納期遵守への影響は大きいかもしれません。

平均値を次の故障までのカウントダウンにしない

MTBFが40時間でも、次に故障する時刻や設備の残存寿命が分かるわけではありません。故障が集中して起こる場合もあれば、平均を大きく超えて連続稼働する場合もあります。

また、MTBFだけを根拠に予防保全の周期を決めることもできません。適切な対策は、故障のメカニズム、設備状態を示す証拠、設備の保守指針、故障時の影響によって異なります。例えば、経年摩耗と断続的な異物混入では、必要な調査が異なります。全体の平均値だけでは、どちらが起きているかは判断できません。

MTBFが悪化したら、該当する故障を特定し、さらに具体的に掘り下げます。どの故障モードが、どのような条件で繰り返されているのか。どのような変更で対処できるのか。そのうえで、対策後も同等の運転条件で同じ問題が再発するかを確認します。

故障頻度と停止時間を併せて見る

MTBFからは、故障後にどれだけの時間、生産できなくなるかは分かりません。同じMTBFの設備でも、一方はすぐに復旧し、もう一方は専門技術者や部品の到着を待つのであれば、受注案件への影響は大きく異なります。

平均値と併せて、故障に伴う停止時間の合計と、個々の長時間停止を確認します。影響を受けた作業については、後工程まで追ってください。重要工程に使える唯一の時間枠の直前に起きた短い停止は、挽回する時間が十分にある長い停止よりも、納期に大きく響く場合があります。

MTBF・MTTR・MTTFの違い

これらの指標は、それぞれ異なる問いに答えるものです。互いに置き換えられる数値として扱わず、対象とする設備・部品の範囲と、時間の定義を明示してください。

指標何が分かるか実務上の違い
MTBF:平均故障間隔修理可能な設備で、故障1件当たりに実際に稼働した時間はどれだけか。設備は修理後に再び使用される。
MTTR:平均修理時間または平均復旧時間定義した範囲の修理または復旧に、平均でどれだけの時間がかかるか。待機、診断、試験、再起動の時間を含むかどうかを明記する。集計によって計測範囲が異なる。
MTTF:平均故障寿命修理しない品目が、故障するまでにどれだけ持つか。修理せず交換する品目に用いる指標であり、その品目を組み込んだ設備全体にそのまま適用できるわけではない。

修理報告で実作業時間だけを集計していても、生産計画では設備を使用できない時間全体が重要です。部品交換そのものは短時間で済んでも、部品を調達し、生産再開に必要な確認を終えるまで、設備ははるかに長い時間使えないことがあります。

この違いを押さえれば、今後どのような故障が起きても平均修理時間内に解決すると見込んでしまう、ありがちな計画上の誤りを防げます。

信頼性の分析結果をSkyPlannerで生産上の判断につなげる

調査の結果、保全部門との間で、来週水曜日にマシニングセンタで3時間の保全作業を行うことが決まったとします。これは技術的な判断に基づいて設定した保全枠であり、40時間というMTBFから予測した故障日時ではありません。

この決定により、顧客の注文に使える生産能力が変わります。保全カレンダーに記入するだけでは、生産計画上、使用できない設備に作業を割り当て続けてしまう可能性があります。その結果、生産計画担当者は、その週の納期を守ろうと調整する段階で、この矛盾に気づくことになります。

SkyPlannerでは、リソースの例外設定として合意した時間帯を登録します。これにより、その時間帯は対象リソースを使用できなくなります。そのうえで、スケジューリングAIのArcturusが、設定されたリソース、シフト、工程の所要時間、依存関係、優先順位、ロックを使い、変更後の能力に合わせて再配置可能な工程のスケジュールを再計算できます。再計算後の作業順序はガントチャートに表示されます。

水曜日の保全作業を織り込んだら、待機中の機械加工工程の後に、検査や組立の時間を確保できるか確認します。対応可能な代替リソースに作業を割り当てる場合は、そこにすでに割り当てられている作業と納期も確認してください。空き枠が役立つのは、その工程を実際にそこで実行でき、残りの工程も予定に収まる場合だけです。

信頼性向上の取り組みによって設備を使える時間が変わったとき、SkyPlannerが次の一手として役立つのはこのためです。技術面や取引面の判断は担当者が行い、Arcturusは関連工程を含めたスケジュール計算を担います。作業順序を組み直す時間が減り、生産部門と営業部門は、残る納期判断を共通の情報に基づいて行えるようになります。

合意した保全日時が変わったら、保全枠も更新してください。設備を使える時間について古い前提のまま次のシフトを迎えるのではなく、スケジュールを再計算し、影響を受ける納期の約束を確認してください。

1台の設備を使える時間が納期にどう影響するか確認する

有用なMTBFの検討は、数値を出すだけでは終わりません。取るべき行動を明確にすることが重要です。根拠となるデータを明確にし、影響の大きい故障を調査し、合意した生産能力の変更を、現場が実際に使う計画に反映してください。

関連する設備の作業順序をすべて手作業で修正せずに、複数の顧客注文にまたがる変更を調整したいときは、SkyPlannerをご検討ください。SkyPlannerは公開REST APIを通じてあらゆるERPやMESと連携できるため、既存の受注情報や生産情報を活用してスケジューリングを改善できます。

設備を1台選び、合意済みの使用不可時間帯と、その設備で処理する受注案件の情報を用意して、SkyPlannerのデモを予約してください。どの工程の予定が変わるのか、後工程に何が起きるのか、どの納期回答に判断が必要になるのかをご確認ください。まず自分で操作してみたい方は、デモデータでSkyPlannerを試し、生産能力の変更によってスケジュールがどう変わるかをご覧ください。

Jussi Mäntylä

生産計画スペシャリスト、SkyPlanner

SkyPlannerで、わかりやすい生産スケジュールを

データを連携し、最初の計画を確認。本番稼働するすべてのスケジュールは計画担当者が最終判断します。