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Oracle Fusion Cloudは能力制約を考慮した生産スケジューリングに対応しているか?製造指図のスケジューリングとProduction Schedulingを解説
Oracle Fusion Cloud Manufacturing自体には、その機能はありません。Oracleは、製造指図のスケジューリングエンジンは制約を考慮せず、能力を無限とみなすと明記しています。能力制約を考慮するスケジューリングは、Supply Chain Planningの作業領域であるOracle Production Schedulingが担います。一方、Supply Planningは期間バケット単位で能力を計画します。工場をまたいで、すべての機械、人員、工具、資材の制約を考慮したスケジューリングが必要な製造業では、Oracle Fusion Cloudと併せてSkyPlanner APSを使用しています。
この記事はOracleの26Cドキュメントに基づいています。Oracle E-Business Suiteには独自の旧世代のスケジューリング製品があり、Oracle NetSuiteは別のERPです。情報を参考にする前に、そのページがどの製品について説明しているかを確認してください。
Oracle Fusion Cloudで生産計画を立てる流れ
1. 製造のマスタデータ
Oracle Fusion Cloud Manufacturingでは、ワークセンターと生産リソースが能力計画の出発点になります。リソースは設備または労働力を表し、それぞれにカレンダーとシフトを設定します。作業定義には、品目の工程を登録します。各工程には、使用量とBasis Typeを含む工程リソース、および工程資材を指定します。構成部品は、Product Information Managementの品目構成から取得します。
2. 製造指図のスケジューリング:制約を考慮しない設計
製造指図を作成すると、Fusionがその日程を計算します。Oracleはエンジンの動作を次のように説明しています。”Oracle Manufacturing uses unconstrained scheduling engine in the background to schedule work orders during create and certain update actions.”(Oracle Manufacturingは、製造指図の作成時や特定の更新時に、バックグラウンドで制約を考慮しないスケジューリングエンジンを使用して日程を計算します。)(出典)
リソースの日程は、リソース使用量、工程リソース、リソースカレンダーに基づいて計算されます。その結果を工程の日程に、さらに製造指図の日程に集約します。同じページには、能力の扱いも明記されています。”resources are assumed to have infinite capacity and the scheduling engine disregards loads on the resources from other work orders.”(リソースの能力は無限とみなし、スケジューリングエンジンは他の製造指図によるリソース負荷を考慮しません。)
3. フォワード、バックワード、中間工程を基準にした計算
製造指図は、開始日から順方向に、または完了日から逆方向に日程を計算します。数量によって所要時間が変わるのは、リソースのBasis TypeがVariableの場合だけです。RESTアクションmidpointRescheduleWorkOrderOperationは、一つの工程を基準に再計算します。Oracleの説明では、”backward schedules the resources for operations that already occurred, and forward schedules the resources for subsequent operations.”(すでに行われた工程のリソースは逆方向に、後続工程のリソースは順方向にスケジューリングします。)(出典)
4. Supply Planning:期間バケット単位の能力計画
Oracle Supply Planningでは、制約を考慮した計画を実行できます。”respects constraints by moving orders to earlier time buckets or offloading to an alternate resource, work definition, or supply source.”(オーダーを前の期間バケットに移すか、代替のリソース、作業定義、供給元へ振り替えることで制約に対応します。)それでも対応できない場合は、”the constrained supply plan, as a last resort, overloads resource and supplier capacity to meet demands on time.”(制約付き供給計画は、最終手段としてリソースと仕入先の能力を超える負荷を割り当て、需要に期日どおり対応します。)(出典)
5. Oracle Production Scheduling:能力制約を考慮する機能
能力制約を考慮する生産スケジューラが、Oracle Production Schedulingです。Oracleは、その用途を次のように説明しています。”Using Oracle Production Scheduling, you can consider resource capacity constraints and the changeovers on resources that occur throughout production.”(Oracle Production Schedulingを使用すると、リソースの能力制約と、生産全体で発生するリソースの段取り替えを考慮できます。)(出典)
この機能は、”Offering: Supply Chain Planning”(オファリング:Supply Chain Planning)の作業領域として有効にします(出典)。その後、計画担当者はスケジューリング組織ごとに一つのスケジュールを扱います。
| 手順 | 処理内容 |
|---|---|
| スケジュールオプション | 組織の計画対象期間、固定タイムフェンス、リリース対象期間を設定 |
| データ更新 | SCMから最新の製造指図、手持在庫、供給、需要を取得 |
| 求解 | 能力制約と段取り替えルールを考慮したスケジュールを作成 |
| 修復 | 計画担当者がガントチャートやディスパッチリストで行った変更を反映 |
| リリース | 製造指図と工程の日程、および選択したリソースをManufacturingに書き戻す |
この一連の処理は、RESTリソースproductionSchedulingPlansからも実行できます。
引き続き計画担当者が対応すること
- 基本のスケジューリングは他の製造指図を考慮しません。Fusion Manufacturingは、能力を無限とみなして各製造指図の日程を計算します。Oracleも、”potentially plans to execute production for multiple work orders simultaneously.”(複数の製造指図の生産を同時に実行する計画になる可能性があります。)と説明しています。(出典)
- Supply Planningは期間バケット単位で計画します。制約付き計画では、オーダーを期間バケット間で移動し、最終手段として能力を超える負荷を割り当てます。
- 一つのスケジュールで扱えるのは一つの組織です。Production Schedulingは、スケジューリング組織ごとにスケジュールを計算します。
- 段取り替えルールは単一設備が対象です。“Changeover rules are applied only on resources that have resource type set to equipment and default units available set to 1.”(段取り替えルールは、リソースタイプが設備で、デフォルトで使用可能なユニットが単一に設定されたリソースにのみ適用されます。)(出典)
- リリースには対象期間があります。“Only work orders within the release horizon specified in the schedule options will be released.”(スケジュールオプションで指定したリリース対象期間内の製造指図だけがリリースされます。)(出典)
- リリース前にデータ更新が必要です。“If the schedule isn’t refreshed after the previous release, changes to the schedule for some work orders might not be released.”(前回のリリース後にスケジュールのデータを更新していない場合、一部の製造指図でスケジュールの変更がリリースされない可能性があります。)Pending Approvalの製造指図は更新されず、Supply Planningの計画オーダーは実行用にリリースされません。(出典)
- 一連の処理は計画担当者が管理します。データ更新、求解、修復、リリースは、計画担当者が操作するか、スケジュール済ジョブとして実行します。
Oracleの標準スケジューリング機能で十分な場合
次のような場合は、Oracle Fusion Cloudの標準ツールで対応できます。
- リードタイムとリソース使用量から計算した製造指図の日程に、納期を約束するうえで十分な精度がある。
- ボトルネックがほとんどなく、一人の計画担当者が手作業で作業の重複を解消できる。
- すでにSupply Chain Planningを使用しており、中央の計画チームが各スケジューリング組織を管理している。
- 段取り替えが主に問題となるのは、個々の機械である。
- 各工場が独立して計画を立てており、現場の作業者は最新の作業順序を確認する必要がない。
これらに当てはまる場合は、作業定義とリソースカレンダーを正確に保ち、毎回リリース前にデータを更新してください。
能力制約を考慮する生産スケジューラが必要な場合
次の項目に複数当てはまるなら、標準機能だけでは対応しきれなくなっています。
- 期間バケット単位では供給計画が実行可能に見えても、納期が遅れる。
- 特急オーダーや故障が発生するたびに、計画担当者が表計算ソフトで製造指図の順序を組み直している。
- ライン、作業班、複数ユニットを持つリソースで、直前に生産した製品によって段取り替え時間が変わる。
- 機械だけでなく、作業者、シフト、欠勤も同じように生産量を制約している。
- プレス型、成形用金型、治具を機械間で移動して使っている。
- 工場間で仕掛品が移動し、各工場が他工場の状況を把握する必要がある。
- Supply Chain Planningを使わずにFusion Manufacturingを運用している。
選定時に確認するポイント
- すべてのリソースの能力制約を同時に考慮:期間バケット単位ではなく、機械、人員、工具を個別に扱えること。
- 優先度と納期に基づく工程単位の順序付け。
- すべてのリソースで、生産順序によって異なり、切り替える方向によっても異なる段取り替え時間を設定できる段取り時間マトリクス。
- 工具を能力に限りのある共有リソースとして扱う機能と、複数の作業者で行う作業への対応。
- 手持在庫と入荷予定の購買オーダーを確認する資材を考慮したスケジューリング。
- 一つのスケジュールで行う複数工場の計画。
- 進捗やオーダーが変わった際の自動リスケジューリング。
- Oracleとの明確なデータ連携。Oracle Fusion Cloud SCMのREST APIでデータを読み書きし、計画した工程日程を製造指図に書き戻せること。各ベンダーに、どのリソースを呼び出すのか、本稼働後は誰が連携をサポートするのかを確認してください。
基本的な手法については、能力制約を考慮した生産スケジューリングのガイドをご覧ください。
SkyPlannerが補う領域
SkyPlanner APSは、上記の課題をすべて補います。すべてのリソース、人員、工具の能力制約を考慮します。Arcturus AIエンジンは、作業の優先度、完了日、顧客の優先度、Fast Track、Dynamic Prioritiesに基づいて順序を決め、工程単位のスケジュールを数秒で作成します。
段取り時間マトリクスには、製品の各組み合わせについて、双方向の段取り替え時間を登録します。エンジンは、段取り時間が最も短くなる順序を選びます。工具は能力に限りのある共有リソースとして扱い、複数の人員が同じ作業を同時に行えます。優先する機械や人員が使えない場合は、代替の機械や人員に作業を振り替えます。各工場は一つの計画内でリソースグループとして扱い、工場間の移動時間も設定します。
資材の入荷を考慮したスケジューリングでは、現在庫と発注済み資材の入荷予定から将来の在庫をシミュレーションし、必要な資材がそろう時点に作業を配置します。生産状況が変わるとAutopilotが自動で再スケジューリングし、Running Time Lockが直近数時間の作業を固定して、現場の混乱を防ぎます。作業者はMobile Confirmations、Production Timer、Quick Log Modeを使い、スマートフォンやタブレットで作業を記録できます。
次のような場合は、Oracle Production SchedulingよりSkyPlannerが適しています。
- Fusion Manufacturingを利用しているが、Supply Chain Planningは利用していない。 Oracleでは、Production SchedulingはSupply Chain Planningのオファリングで有効化します。SkyPlannerなら、現在お使いのManufacturingと連携して製造指図をスケジューリングできます。
- 複数の工場をまとめてスケジューリングしたい。 Production Schedulingはスケジューリング組織ごとに計算します。SkyPlannerは全工場をまとめて計画します。
- 段取り替え、工具、作業チーム、資材を踏まえて作業順序を決めたい。 段取り時間マトリクスはすべてのリソースで利用できます。数量に限りのある工具、複数の作業者が担当する作業、代替リソース、発注済み資材の入荷予定を、一つのスケジュールに織り込めます。
- 計画を自動で最新の状態に保ちたい。 Autopilotは、計画に影響する変化があるたびに再計画します。RefreshとReleaseの操作を繰り返す必要はありません。
- すべての作業者が計画を確認できるようにしたい。 SkyPlannerはユーザー数に制限がなく、Mobile Confirmationsを使えば、各自のスマートフォンやタブレットで作業待ちリストを確認できます。
Oracleの未完了の製造指図をExcelでエクスポートし、30日間の無料トライアルでお試しください(最大20リソース、クレジットカード不要)。その後の料金は5リソース込みで月額199 €から、月払いです。連携費用は、お客様の業務プロセスと要件に応じて、ご利用プランとあわせて事前にお見積もりします。
SkyPlannerはSCM REST APIを通じてOracle Fusion Cloudと双方向に連携します。導入時にSkyPlannerチームが連携を設定し、お客様のパートナーや開発者も、ドキュメントが整備されたREST APIを利用して開発できます。詳しくは、Oracle Fusion Cloud向けSkyPlanner、Oracle Fusion Cloud連携ガイド、またはERP連携一覧をご覧ください。NetSuiteをご利用の場合は、NetSuite向けSkyPlannerをご覧ください。
製造業のお客様によるSkyPlannerの評価
2時間毎週の業務時間を削減
「SkyPlannerによって、当社の生産計画はExcelの表計算から、リアルタイムでの生産最適化へと進化しました。」
Kalle Kalliomäki、サプライチェーンスペシャリスト
UTU · 配電盤・開閉装置
生産計画にかかる業務時間を毎週2時間削減し、新しい作業待ちリストを数秒で製造ラインに届けています。
+90%生産効率が向上
「生産効率が90%向上しました。」
Abdul Rucyinga、IT部門責任者
Laboratory & Allied · 医薬品製造
生産効率が90%向上し、全リソースを対象に三か月分の最適化された計画を30分未満で作成できるようになりました。
98%納期遵守率が約50%から向上
「SkyPlannerは、当社の納期遵守率を維持するうえで決定的な役割を果たしています。」
Hannu Lahtinen、社長
KJH-Comp · 板金加工・受託製造
納期遵守率は約50%から最高98%に向上しました。以前は二人必要だったスケジューリング業務を、現在は一人の現場管理者で担当できています。
100%2021年から維持している納期遵守率
「SkyPlannerで生産能力が見えるようになり、見通しを立てて計画できるようになりました。」
Dan Berglund、COO/CFO
Opes Corporation · 化学品・食品製造
SkyPlannerを導入した2021年から現在まで、納期遵守率100%を維持しています。
よくある質問
Oracle Fusion Manufacturingでは、生産能力の制約を考慮した生産スケジューリングができますか?
いいえ。Oracleの説明によると、製造指図のスケジューリングには制約を考慮しないエンジンが使われ、生産能力を無限とみなし、ほかの製造指図による負荷は考慮しません。生産能力の制約を考慮したスケジューリングは、Oracle Production Schedulingが担います。
Oracle Production SchedulingはFusion Manufacturingに含まれていますか?
いいえ。Oracleでは、Production SchedulingはSupply Chain Planningのオファリングに属する作業領域として有効化します。そこで作成したスケジュールの日程を、Manufacturingの製造指図に反映します。
Oracle Supply PlanningとProduction Schedulingの違いは何ですか?
Supply Planningは期間単位で供給を計画し、制約を考慮する場合でも、最終手段として生産能力を超える負荷を割り当てます。Production Schedulingは、一つのスケジューリング組織を対象に、リソース上で製造指図の実行順序を決め、リリース対象期間内の日程を反映します。
Oracle Fusion Cloudは、作業順序によって変わる段取り時間に対応していますか?
Production Schedulingでは、利用可能台数が一台の設備リソースに段取り替えルールを設定して対応します。SkyPlannerの段取り時間マトリクスは、すべてのリソースについて、製品の組み合わせごとに双方向の段取り替え時間を保持し、その時間を最小化するように作業順序を決めます。